ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491718hit]
■ドリンクバーの果てに/『フラッシュ!奇面組』1巻(新沢基栄)/『永遠のグレイス』(川崎郷太・伊藤伸平)ほか
今回は『猫の恩返し』特集。森田宏幸監督のインタビュー、高橋望先輩が相当裏で動いたらしいことを暴露してくれている。高橋先輩、「みんなの意見をまとめると、どうもみんな柊さんの原作が好きで、少女漫画として映画にすることを期待してる」と森田監督に伝えたとの話だけれど、さて、ホントに意見をまとめたのかどうか。迷ってる森田監督に勢いを付けるためにハッタリかました可能性もあるぞ(ホントにちゃんとスタッフの意見を聞いてたんだったらごめんなさい)。
『猫の恩返し』も、世間の評価は結構厳しいようだ。「宮崎アニメ」と比較して、「中身がない」とか抜かしてるバカ意見が多いけど、宮崎アニメに中身があったことなんてただの一度もないぞ。宮崎駿自身がそう言ってるんだからこれは間違いない(^^)。
つまりは自分だけの妄想で映画見てるやつがどれだけ多いかってことだよな。もともとあの映画は「少女マンガ」というファンタジー、「成長する少女」なんて描くつもりはなかったってことだから、「少女の成長が描かれてない」とか「底が浅い」とか批判するのはお門違いなのである。
興行収入はどうやら30億程度で終わりそうだが、『千と千尋』には遠く及ばないにしても、新人監督の作品としては充分なヒットだろう。ジブリブランドのおかげだろう、と皮肉るのは当たっていない。それならどうして『となりの山田くん』はコケたんだよ。映画をエンタテインメントとしてちゃんと作って、ちゃんと宣伝すれば、数字はついてくるんである。
そして、映画を見る際にはこれが大事。エンタテインメントに「教訓」を期待しちゃいけないよ。これ鉄則。
マンガ、新沢基栄『フラッシュ!奇面組』1巻(エニックス/ガンガンコミックス・410円)。
『奇面組』の新作が21世紀に読めるとはなんという感慨。
高校のときに友達の女の子と、「奇面組、番組にも勝っちゃったよ!」と手を取り合って喜んだ思い出(バスケ大会の時の話ですな)が懐かしい。そんなことやっとったのかと言われそうですがやっとったんです。すみません。
こないだよしひと嬢、塩浦嬢に見せたらやっぱり懐かしがられた。てことは、よしひと嬢は小学生、塩浦嬢は幼稚園のころか? ヘタすりゃ塩浦嬢はアニメの再放送でしか知らないんじゃないか。
懐かしいことは懐かしいのだけれど、驚くべきことは、その中身が、絵柄もギャグも、二十年前と全く変わってなかったってことだね。
何しろこの1巻、中学生編からのやりなおしなのである。続編ではなくリメイク。確かにカンペキに完結しちゃったお話だから、そうするしかないか。「奇面フラッシュ」や「イカリコング」のギャグを、まったく何のアレンジもせずに繰り返してるこの変化のなさは、おそらく作者の「律儀さ」の表れだ。リメイクにアレンジは要らない、改作はかつての作品との間に矛盾を生み出すだけだ、と新沢さんは考えているのだろう。
律儀さゆえにギャグとしては今一つ破天荒になりきれなかった欠点はあるのだけれど、かつて、その上品さは、「汚い絵のギャグマンガ」が『ジャンプ』や『マガジン』で幅を利かせていく中では、まるで清涼飲料水のような爽やかさすら感じさせていたのだ。『奇面組』にエッチギャグは絶対に出て来ない。それが読者に安心感を抱かせていたのだ。
もっとも、個人的にはオトナになった零くんと唯ちゃんとのラブコメってのもちょっと見てみたなあ、という気がしないでもない。けれど、ほんの少しでも生々しく描いた途端に読者の総スカンを食らうことは眼に見えている。やっぱり、「リメイク」しかなかったってことなんだね。
でも、昔と同じく、腕組や番組、御女組とか出しといて、骨組やルッ組はなぜ出さなかったのかな。婦組が出せないのは時代に合わなくなってるから解るけど。でも好きだつたんだよ、子役締ひろ(^。^)。今更だけど、どうして新沢さん、アキナやキョンキョンはパロってたのに松田聖子はやらなかったのかな。小松田せいとか聖田松子とでも名前つけりゃ作れたろうにねえ。もしかして嫌いだったのかも。……一部のファンにはブリッコってことで蛇蝎の如く嫌われてたからなあ、聖子。そういう事実も今は世間から忘れられてるかなあ。
なんか話題がずれちゃったな(^_^;)。
[5]続きを読む
08月16日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る