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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■母の呼ぶ声/『フルーツバスケット』5〜9巻(高屋奈月)/『神罰』(田中圭一)
こういうことを書くと、母の声が聞こえるのだ。
「バカが」と一言。
母が意地悪でなければ、あと10年は父を呼んだりはしないだろう。
頼むよ、お袋。
帰宅して、CSファミリー劇場で『快傑ズバット』の第2話「炎の中の渡り鳥」。
こういうタイトル付けといて、「渡り鳥シリーズは意識してない」とか言ってのけてるんだから、脚本の長坂秀佳、鉄面皮と言うか厚顔無知と言うか、人間見えちゃうよな。20年前の脚本に文句付けるのもどうかと思うが、まあ今はもっとひどくなってるから構うまい。武上純希がどんなにヒドイ脚本を書こうが、長坂秀佳にはかなわない。
ブラックハート団の用心棒、居合切りの達人風流之介を演じるのは天本英世さん。各話悪役の中でも一番ギャラが高かったんじゃないかな。テロップでも一枚看板だったし。けれど、身長がすごく高い方なんで、宮内さんとの背丈の差を誤魔化すのにカメラが苦労してるね。若いころから猫背で演技させられることが多かったけれど、居合切りの達人って設定も、腰を低くさせるための方便って気がしないでもない。でも天本さんの代表作はやっぱり背筋をピンと伸ばしたキャラに限るんである。
みどりとオサムの二人、第2話にして、はやくもいてもいなくてもいいキャラに成り下がっている。早川がブラックハート団に入るフリをするのも30分の短い枠の中ではほとんど無意味。いいよなあ、いくら手を抜いても脚本として扱ってもらえるってのは。
マンガ、高屋奈月『フルーツバスケット』5〜9巻(白泉社/花とゆめCOMICS・各410円)。
途中で読むのをやめてた分を一気に読了。
でも、まとめて読んでもあまり進展がないなあ。十二支なかなか全部揃わないし、慊人は思わせぶりな行動取るばっかりで、なかなか仕掛けてこないし。やたら回想シーンが入るとこも含めて、こんな展開どこかで見たなあ、と思ったら『ワンピース』だった(^_^;)。シリアスとギャグを適度にマゼコゼするあたりもね。人気がある理由もわかりはするが、なんだか今一つドラマの「幹」がないというか、盛り上がりに欠けてるよなあ。
うおちゃん、はなちゃんの過去なんか、番外編で書きゃいいんであって、本編に差し挟んでも、ドラマの流れ中断させるだけだと思うけど、ファンの声に答えたんだろうね。あの二人、人気ありそうだし。
はなちゃんとかあーやとか、コメディリリーフの役を果たすキャラって、ドラマツルギーから行けば狂言回し以上の働きさせちゃいけないんだけど、この作者、それを知っててワザと崩してるんじゃなくて、単に語り口がヘタなだけって感じだから、そのうちカベにぶち当たっちゃうんじゃないかなあ。
それにしてもアニメはどこで結末つけたのかな。まだ9巻かけてもほとんど事件らしい事件起こってないんですけど。
マンガ、田中圭一『田中圭一最低漫画全集 神罰』(イーストプレス・1049円)。
この人のマンガを買うのって、『ドクター秩父山』以来だが(もう15年も経つのか)、こんなに絵柄が変わっていたとは(^o^)。
いやね、『コミック伝説マガジン』に『グリンゴ』の後日譚を描いてた時点で、この人、手塚治虫の絵を随分本気で研究してるなあ、とは思ってたんだよ。だってねえ、普通、手塚治虫を模写しようと思ったらさ、『メトロポリス』や『来るべき世界』のころの描線か(スノウチサトルが描いてたね)、アニメ的に整理された『鉄腕アトム』後期のころの描線か、どちらかを選ぶ場合が圧倒的に多いんだよね。
それを田中さん、ハッキリ手塚さんの表現力が落ちてきた80年代の線をベースにしてるんだよねえ。これがまた実によく似ているのよ。コイズミ首相の似顔絵にもよく表れてるけれど、田中さんは手塚さんの描線、デザイン能力を自家薬籠中のものとして、新しいキャラクターを作れる域にまで達しているのだ。これほどの能力、水木しげるの線をモノにした森野達弥と肩を並べるほどだ。
本人の意図はどうあれ、結果としてこれはもうイヤガラセ以外の何物でもない。なんてったって、その内容ときたら、明確なパロディはほんの少し、ほとんどが単なるエロ・シモネタマンガを「手塚のキャラで描いた」だけのシロモノなんでねえ(^_^;)。
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08月15日(木)
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