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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■映画ファンってどこにいるの?/DVD『∀ガンダムT 地球光』/『アフター0 著者再編集版』1・2巻(岡崎二郎)ほか
 紛争を解決すべく、アメリアに降り立った月の女王ディアナ・ソレル。彼女はそこで土地の有力者、ハイム家の長女、キエルが自分と瓜二つであることに気づき、入れ代わって地球のことを知ろうと考えるが……。

 再編集版はロランがガンダムに乗りこむまでを大胆にカット。まるで『ザブングルグラフィティ』(^o^)のように、要所要所のシーンをクリップのように繋いで一気に見せる。ロランを巡る物語はやや後方に下がり、地球とムーンベースとの交渉を縦軸に、キエルとディアナの入れ代わりを中心に物語は進む。いつの間にかキエルの正体がキースにバレていたりと、カットし過ぎてるところはあるものの、映画としてこの編集のしかたはまあ妥当なところだろう。戦闘シーンはもっとカットしてもよかったんじゃないか。ミリシャ側がモビルスーツの操縦に慣れてないために、モビルスーツのパイロット同士の会話がないのがいいやな。その分独り言は多いが。
 地球から発見されたのはモビルスーツだけではなく核兵器。この核兵器の記憶すら地球人は忘れていて、うっかり爆発させてしまうってのが、なんだか今の富野さんの「戦争論」的演出で(ファーストガンダムのどこに核兵器が登場してたよ)、いささか鼻につくけれど、パート2への引きとしてのこのラストはやはりツボを押さえてるなあ、と思わざるを得ない。
 演出家としての富野さん、嫌いなところもあるんだけれど、やはり今年見た映画のベストの中には入れなきゃいけないかなって思う。
 ロランが初め月に向かって吼えるところで「ユニバース!」と言ってるのは新録かな。なんかこの時代の流行語って設定らしいが、ちょっとセンスがはずれてるところがかえってリアルか(^o^)。


 マンガ、岡崎二郎『アフター0 著者再編集版』1・2巻(小学館/ビッグコミックスオーサーズセレクション・各530円)。
 旧版全部買ってるのに、未読短編のために買い直しやがな。
 一編や二編ならともかく、単行本1冊分くらい未収録短編があったってんだから、小学館もナニ考えてたんだか。読んでみるとほかの作品に比べて出来が悪いのが多いんで、編集部判断でカットしてたのかもしれないけれど。
 いや、「出来が悪い」と言っても、それは岡崎作品の中でのこと、全体的な作品レベル自体は極めて高く、岡崎さんがSF・ファンタジー・ミステリー短編の名手であることは間違いないことだ。

08月10日(土)
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