ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491718hit]
■踊る大脂肪/映画『MIBU』/『ワイド版 風雲児たち』3・4・5巻(みなもと太郎)ほか
基本ラインはそれでいいんだけど、無駄なエピソードが多すぎてKの記憶が戻るのに時間がかかりすぎ。それがサスペンスに繋がってるんなら悪い展開でもないんだけれど、それがイマイチ希薄で効果をあげていない。襲われる対象を、Kと、サリーナを目撃したヒロインのローラ(ロザリオ・ドーソン)とに分割させちゃったのが脚本の求心力を弱めているんだね。
で、オチが実は「ザルタの光」はローラ自身だったってのはハッキリ言って意味不明。ローラの何がどうなってて「惑星を破壊するほどのパワーを持ってる」って言うの? それにサリーナ、そんなもん手に入れなくても、オープニングで惑星破壊しまくってるんですけど(^_^;)。
更にわからんのが、ローラが実は、Kとかつて恋に落ちた宇宙人ロラーナとの間に生まれた娘だってこと。……あのー、ローラを演じてるロザリオ・ドーソン、黒人なんですけど、白人と宇宙人が子供作ったら黒人になるんですか?
しげにこれ話したら、「どっかが黒いんだよ、あの宇宙人」って言われた。どこが黒いのか教えてくれ。
結局「ザルタの光」がどういうものなのか分らないままローラは宇宙に旅立って終わり。なんだか『MIBV』のプロローグだけ見せられて終わっちゃったって感じ? でもこれで『V』が今回の話となんの関係もなかったら怒るよ、私ゃ。吾妻ひでおじゃないんだから。
サリーナ役のララ・フリン・ボイル、どこかで見た顔だと思ったら『ツイン・ピークス』に出てたんだね。随分老けたよなあ。
帰宅して、ふとパソコンの前を見ると、並べておいたフィギュアが全部裏返しされている。特に『あずまんが大王』のキャラは全部奥地に行ってて姿も見えない。
もちろん、これは全部しげの仕業であって、小人さんのイタズラではない。
思うに私がおーさかや榊さんを見ながらデヘデヘしてたのでヤキモチを焼いたものであろう。まるで本屋に並んでた高千穂遙の本を全て逆に入れ直した相原コージのようなマネを(『かってにシロクマ』を酷評されて怒ったとか)。
別にこの程度でしげを怒ったりはしないが、なんかやることがいじましいよなあ。いちいち元に戻すのもめんどくさいのでそのままにしているが、キングギドラや鉄人28号やブラック・オックスやアントラーやメガギラスや死神博士やイカデビルや砂かけ婆や釣瓶落としやサキエルや惣流・アスカ・ラングレーがみんな背中向けてるってのはなんか不気味な風景である。
マンガ、みなもと太郎『ワイド版 風雲児たち』3・4・5巻(リイド社・各680円)。
番外編(つーか書き残し編)『宝暦治水伝』を3巻と4巻に分けて途中収録。
薩摩藩家老・平田靱負と傳馬屋十兵衛との「腹芸」のシーンは何度読み返しても泣ける。こういうのが「日本人の美しい姿」ってやつなんだよ。直情径行な特攻隊物語やら、ワールドカップの応援程度で「日本人」を感じる精神の貧弱さと比べてみりゃいい。今、「二十万両の香典」を出せる人間がどこの世界にいるかね。武士の誇りを捨てて、命を賭して仕事にかかれる人間がどこにいるかね。
再読だからあまり細かい感想は書かないけれど、4巻から始まる「蘭学者編」は、この『風雲児たち』の(今のところ)白眉である。歴史を紡ぐものが人の思いであることを知っている人には、必読の書だ。さあ読め。
雑誌『せりふの時代』24号、特集が「アチャラカ復活!」。
アチャラカがいつ復活したんだと突っ込みたくなるようなタイトルだけれど、まず、「アチャラカって何?」って若い読者もいそうだなあ。けれど、これ説明し出すと、もうこの日記の規定字数使い切っても終わらないよ(^_^;)。
まあ戦前の浅草発祥の理屈抜きのドタバタ喜劇、と思ってください。これでも識者の方からは猛反駁がありそうだけどさ。
矢野誠一の寄稿『おかしくて、哀しくて』、最近見た舞台、『ダブリンの鐘つきカビ人間』を酷評して、「中途半端な才気に頼った勝手気ままなお遊びとしか思えない貧弱な舞台」とまで断定している。
[5]続きを読む
07月19日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る