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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■開高健よりは痩せてると思う/『新ゴーマニズム宣言 テロリアンナイト』11巻(小林よしのり)
 仕方なく、グァバ茶を混ぜたものと混ぜてないものとを作る。玄米茶ベースのあっさり味とグァバ茶メインのオトナ味。
 でも、なんでこんなにしげに親切にしてやらなきゃならないのかなあ。料理も作ってくれないし家事もしないし、私が奉仕するばかりだ。
 このしげの甘ったれのツケは、そのうちしげ自身にしっぺ返しみたいな形で振りかかって来ると思うけれど、果たしてそのときまで私の方が生きてるかどうか疑問だ。
 ┐(~ー~;)┌ マイッタネ。


 マンガ、小林よしのり『新ゴーマニズム宣言 テロリアンナイト』11巻(小学館・1260円)。
 タイトル、英語としてはヘンじゃないのか。まあ、ワザとなんだろうけれど。
 本文は本文で、ますます活字が多くなってて、マンガにする意味あまりないんじゃないのか、とツッコミ入れたくなってくる。ヘタすりゃ1ページ、ほぼ活字で、フキダシのスキマにちょっと絵があるだけ。ホントに読みにくいったらありゃしないね。
 小林さんは「『ゴー宣』は読者に読解力がないと読めない」みたいなことを以前書いてたような気がするが、そりゃどんな本だってそういうもんだよ。『ゴー宣』が読みにくいのは、単にコマ割りとレイアウトがヘタなせいなんだから、掲載誌の『SAPIO』に頼んでページ数増やしてもらってコマに余裕を持たせたらどうかね。でも、小林さんのことだからページが増えたら増えたで余計なこと書きこむんだよ、きっと。
 実際、重くて厚くて、なのにやっぱり活字でいっぱいの『戦争論2』も、随分前に買ったまま、途中で放り出して読み終えてない。この11巻も内容的にリンクしてるから、平行して読んどいた方がよさそうなんだけど。

 昨年の同時多発テロについて、小林さんの意見と私の意見とは重なるところが多い。……困ったなあ、小林信者と思われちゃうかな。南京事件や従軍慰安婦については意見が違うところの方が多いんだけどな。
 でも、あのテロ事件が起きた時点で、「アメリカもついにやられたか、ざまを見ろ」と思った連中は、巷には結構いるんじゃないか。広島・長崎に原爆を落とし、朝鮮で代理戦争を行い、ベトナムで枯葉剤を撒き、今もなおアラブに介入し続けているアメリカを見てなお、アレが絶対的な正義の具現者だと信じてる人間がいたとしたら、そいつは救いようがないアホだと思うが、どうかね。
 アメリカが実質的な専制国家だとわかっていながら、日本が摺り寄っていかざるを得ないのは、単純に国家間の勢力バランスを考えればほかに選択肢がないからだってこと、みんなわかってると思ってたんだけどなあ。
 なのに、あのテロが起こった当時、ネットの日記なんか見てたら「こんなひどいテロは許せません」とか、「人道的な判断」をしてるつもりでアメリカの味方してた意見もやたらあったもんね。ちょっとでも歴史かじってたり国際情勢を知ってる人間だったら、諸手をあげてアメリカに賛成してもいられないってこと、判りそうなもんだが。
 政治家がアメリカの御機嫌伺わなきゃならないのは仕方がないが、民間人がどうして「アメリカがんばれ」を簡単に言えるのかねえ、何も考えてないんじゃないの? 案の定、アメリカのアラブでの無差別空爆が知られるようになると、日本の中での「アメリカ万歳」の声も低くなっていったけどね。……もっと早く気づけって(-_-;)。
 人種的な偏見はないけど、未だに「戦争を終わらせるためだったんだから、原爆を落としたのは正しい」(「仕方がない」じゃなくて「正しい」と言ってるアメリカ人のほうが圧倒的に多いぞ)なんて主張してる奴らを信用できるかい。
 小林さんのモノイイがナマイキだからって、なんでもかんでも「反対」を唱えていいってもんでもないだろう。アメリカ批判だったら、黒澤明だって『八月の狂詩曲』で「アメリカは被爆者の慰霊をしていない」と批判してたし、宮崎駿だってあのテロに関しては反米的な発言をしているぜ。みんなクロサワさんやミヤザキさんは好きなんでしょ? だったら堂々と「反米」を唱えてみたら?


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07月15日(月)
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