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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■アニメ見るのは浮気じゃないよん/アニメ『最終兵器彼女』第1話/『エクセル▽サーガ』9巻(六道神士)ほか
 CSファミリー劇場初のオリジナルアニメ、『最終兵器彼女』第1話「ぼくたちは、恋していく」。
 原作の完結巻、どこか本の山に隠れてて読んでないんだよな。
 アニメ化されたことでもあるし、読まずに放映が終わるまで待ってみようかな。
 月9ドラマみたいなサブタイトルには拒否反応を示すオタクも多いんじゃないかと思う。何しろ月9とアニメの間には深くて長い川があると誰かが言ってたし。実は私だが。
 実際、中身も第1話の途中までは、もう、石を投げつけたくなるくらい「青春」しちゃってますからなあ。「恋愛のしかたなんてわかんね」とかゼイタクなコトほざいとりますぜ、主人公のシュウジ。こういう主人公には思いきり不幸になってもらわなければ、お天道様は許しても、独身で三十過ぎても青春の淡い思い出などただの一つもない淋しいオタクには決して許されないでしょう。
 そうです。オタクの希望通り、ドジでノロマなカメだけれど可愛い可愛いちせちゃんは、なんと突然起こった戦争に対抗するための最終兵器に改造されてしまったのです。

 一歩間違えれば大笑いなこのストーリーを、どこまで「本気」で見せられるか。高橋しんの原作は常にそういう「危険」の上を綱渡りしているところがあって、以前ドラマ化された『いいひと。』は、草K剛の背中に羽を生やさせるなんてバカ演出で台無しにしてくれていたが、今度は「アニメ」である。実写はただ撮ればいいだけですむ面があるけれど、アニメは画面の隅から隅まで気を配らなければならない。けれど制作があの『青の6号』のGONZOとなれば、これはやはり期待したくなる。
 しかも監督は『ボトムズ』の加瀬充子さん。真剣に取り組んでくれることは保証付きだ。そうなると、必ずしも原作の展開に納得しがたい印象を持ってはいても、アニメならではの演出で「魅せて」くれるのではないかと、1話を見てみた。
 事実、充分期待に答えられるだけのレベルに達していることは、やはり特筆すべきことだろう。ちせの涙を流したときの表情、その涙を腕で無造作に拭う仕草、アニメーションでありながら一瞬、本物の肉体が与えられたかのような細かい演技。いや、これだけでも充分感動してしまったのだが、意外にも声優がみんなハマっている。
 主演の石母田史朗、舞台俳優で声優はこれが初めてだということだが、アニメ的に誇張された声でもなく、かと言って日常的過ぎる声でもなく、適度に「リアル」を感じさせてくれている。ちせの折笠富美子、チョイ役が多くてこれまであまり意識したことはなかったが、いつもシュウジにすがっているようでいて、「シュウジって可愛い」と言ってのけるあたりのセリフに微妙に「お姉さん」なところも感じさせる絶妙な演技。……上手いよ、この人。
 1話の出来によっては続けて見るかどうか迷ってたけど、これは新番の中でもイチオシになるかも。

 しげに「『最終兵器彼女』、出来いいぞ」、と声をかけたが、「ふーん」とだけ答えて仕事に出かけてしまう。どーせしげのことだから、「私以外の女(←ちせ)に目移りしやがって」とか思ってんだろうな。
 そんなに焼き持ち焼くなら、こちらが目移りできないくらいにセクシーダイナマイツになってみせるとか、そこまでいかなくても、も少し恋人っぽいムード作りしてみせたりとか、恥じらいとか切なげな態度とか、なんか男心をそそらせるような演技の一つでもしてみせたらどうだ。要は素材の問題ではないぞ。


 そのまま何気なくCSを見てたら、懐かしの大映ドラマ、『スチュワーデス物語』をやっていた。
 実は本放送時(これももう20年くらい前か?)それほど熱心に見たことはなかったんで、何気なく見てみたけど、いやもう、何つ〜か、言葉にできないくらいスゴイね、これ! もちろん、「出来がいい」という意味では決してないぞ。
 人気が爆発したのもわかるくらい弾けてるっつーか、脚本も演技ももう、壊れまくり。出来がいいどころか、評価するしないなんて見方を、すぽーん、と飛び越えちゃってるよ。ある意味、これはエンタテインメントではなくてアート映画だね。いや、マジでそう思う。


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07月02日(火)
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