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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■緩やかな統制に異議を/『七人のナナ』&『アベノ橋魔法☆商店街』最終回/『王妃の離婚』(佐藤賢一)
私ゃ自分が強い人間だなんて思わないけどさあ、あんなお仕着せの中身がスカスカなイベント(念のため言っとくけど、これはサッカーというスポーツ自体がつまらないと言いたいわけじゃないからね。趣味レベルのものがムリヤリ国家的イベントに仕立て上げられてるってことを言ってんの)に乗せられるほど欲求不満に陥っちゃいないんだけど。
これだけの熱狂が起きた、ということは、とりもなおさず他人に乗せられるばかりで、自分のアタマで考えようって人間が減ってきてるってことだ。「自分のアタマで考えてない」ってことにカチンと来るなら、ワールドカップ以前と以後とで、サッカーのルールにどれだけ詳しくなったか、説明してみろ(何度も言う通り、これは純正のサッカーファンに対する批判ではありません。俄かファン、エセファンに対するものです)。
熱狂するなら他にもいくらでもあるだろうに、なんでもっと世間にオタクが増えないのか(そこに話を持ってくるかよ)。
唐沢さんは更に、「現代アニメ論」を展開されているが、これについても大いに賛同したいのだが、書きだすと長々論文になってしまうので省略。
ただ、何度もこの日記でも書いてるけど、若い人が昔のアニメや特撮を知らないのは仕方がないことだけど、「知らなくたって恥じゃない」と開き直るのはバカなだけだからやめた方がいいぞ。そりゃ、トシヨリが若い人を慰めるためのコトバでぁって、バカな自分を正当化するために使うコトバじゃないよ。
別に威張るわけじゃないけど、オレたちゃトルストイもドストエフスキーも漱石も読んだ上で、『クレヨンしんちゃん』は面白いって主張してんだよ。でなきゃ、言葉に説得力ってものが出て来ない。自分たちのコトバにどれだけ人を納得させられるだけの論理があるかどうか、ちったあ考えろよな。
……唐沢さんの「情報は現在のそれが過剰になればなるほど、歴史的つながりが絶えてしまうものなのである」ってコトバ、諦観してるみたいで悲しいなあ。
アニメ『七人のナナ』第25話(最終話)「合格発表!! 心の丘に花の咲く?」
あ〜、しばらく見てなかったら、「影ナナ」なんてのが出て来てるよ。
ダークサイドっつーか、ウィリアム・ウィルソンっつーか、この手のパターンはいやになるほど見てきてるんで、飽き飽きしてるんだけど、結末が更に「あなたもやっぱり私だから」って言って合体しちゃうってのもあまりにも定番で安易過ぎないか?
同じ安易でもね、本来、一年経っても七人のナナが元に戻れなかったら死んじゃうって話だったのが、実はそれ、お爺ちゃんの勘違いでしたって肩透かしは別に腹は立たないのよ。それは話を引っ張るためのマクガフィンみたいなものだから。
けど、そうやって七人のナナがいるなら、影ナナだって復活してなきゃヘンじゃん。結局、オチ付けるために八人目のナナを出したのはいいけれど、物語としてうまく着地できなかったってことじゃないのかね。
せっかくハチャハチャな展開で久しぶりに楽しめるギャグアニメになるかと思ったら、また今川泰弘の説教臭さが出てつまんなくなっちゃった。だから「自分の気持ちに正直になることが大切」なんて薄っぺらなスローガンでアニメ作らないで欲しいんだけどなあ。
アニメ『アベノ橋魔法☆商店街』13話(最終回)「甦れ!まぼろしの陰陽師☆」。
あー、サッシの正体って安倍泰親だったのね。
って実はこれ、ネタバレなんだけど、どーせ若い人は安倍泰親なんて誰なんだか知らないだろうから、名前出しても大丈夫だろう。第一、本編中でも泰親についての解説、全くないし。
これまでの色々なアベノ橋商店街が全てサッシの心の中の仮想現実だったってのは、ブラウンだしディックだし押井なんだけれども、それはもうバレバレなのを承知の上でいろんなスラップスティックな世界を見せてくれたんだから、これはこれでいい結末なのかもな。
結局最後はまた別の世界に逃げこんだだけじゃないのかって疑問は残るけど。
……で、最終回なのに予告編つけるなよ(~_~;)。
佐藤賢一『王妃の離婚』(集英社文庫・720円)。
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06月27日(木)
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