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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■「八手三郎」は「やつでさぶろう」/『ふたつのスピカ』1・2巻(柳沼行)/『僕らのスーパーヒーロー伝説』(堤哲哉)ほか
この手の本はもう腐るほど出ているので、書かれてあるエピソードも殆ど既知のもの。けれど、昭和40年代のことを、特撮・アニメ黎明期の古きよき時代と勘違いしている若い人たちにとっては、読み物としては適度にオタクかつノスタルジックな雰囲気が味わえていいのではないか。
私が買ったワケは、関係者のインタビューの分量が結構充実していたからである。
取り上げられている作品は『仮面ライダー』『ウルトラマン』『悪魔くん』『サスケ』『リボンの騎士』『仮面の忍者赤影』『超人バロム・1』『巨人の星』。ラインナップは「ほとんどテキトー」だが、この本が特徴的なのは、当時タイアップとして雑誌等に連載されていたマンガ版にいちいち言及しているところだろう。
『仮面ライダー』の「ゲル・ショッカー」が、すがやみつるの『テレビマガジン』連載時においてのみ、「ゴースト・ショッカー」であったことなど、当時毎月テレビマガジンを買ってたものしか知らない事実である。もちろんかつてテレビマガジンに応募して「少年仮面ライダー隊」に入っていた私が知らぬはずもない(威張るほどのことか)。
あと楳図かずお版『ウルトラマン』のセリフの変更の過程や、『悪魔くん』マンガ版の変遷についても詳細な考察をしてくれているが、多少、ウラを取っていなくて惜しい面もある。昭和63年版『悪魔くん』は、多分、水木しげる御大が描いてるんじゃないと思われるが(森野達哉さんじゃないかと推察)、そのあたり、水木プロに確かめられなかったのかなあ。
あと、平山亨さんが、「八手三郎」は「やつでさぶろう」と読む、とインタビューで明言されたので、これまで「はってさぶろう」と読んでた人は、改めるように。「(仕事を)やって候」のシャレなんだと。
藤子・F・不二雄原作『芝山努と映画ドラえもん『のび太とロボット王国』の世界』(小学館・2415円)。
どうして今回の作品に限りこんな設定資料集が出たのかよく分らないけれど(単に私が知らんだけかもしれんが)、以前から芝山さんのキャラはアニメートされると魅力が半減すると思ってたので、映画本体見るよりもこっちのほうがよっぽど感動できる。
アニメになるとデフォルメが押さえられちゃうんだよな。
それで原作の絵に近づくならともかく、最大公約数的な絵というか、無個性な絵に落ち着いちゃうから、初期の映画はまだしも、近年の長編『ドラえもん』はもう全く見に行っていないのである。
けれど、ラストの「もしも『ドラえもん』が実写で撮られていたら」は蛇足。
ピクサーのNG集と同じで、ヤラセと解りきった遊びは自己満足でしかないって。
マンガ、にわのまこと『THE MOMOTARO』1〜10巻(集英社/ジャンプコミックス・各370円)。
こないだ『ボンバーガール』読んだので懐かしくなって再読。
桃太郎や金太郎、牛若丸に弁慶、浦島太郎や一寸法師や酒呑童子やかぐや姫やヤマトタケルとか、プロレスラーがみんな御伽噺のキャラクターの子孫って設定だったんだよ、って説明しないと、このマンガ知ってる人も少なくなったろうな。平成元年なんて私にとっちゃついこの間なんだけども(^_^;)。
でも、「三年寝太郎」まで出したのに「鶴の恩返し」も「文福茶釜」も「カチカチ山」もなかったなあ……とか当時は思ってたけど、考えてみりゃ、鶴や狸や兎の子孫は出せんわな。「花咲か爺さん」は爺さんだからダメだったのかなあ。
アシスタント時代の小畑健(当時の名前は土方茂。……どっちが本名だ?)がキャラクターとしてしばしば登場している(中には黒武術の幽霊なんてもあったりする)ほか、本人が1ページだけだけれども4コマを描いたりもしているので、小畑ファンには必読書かもしれない。
でもこれも多分絶版。再刊されても権利の関係でアシスタントのマンガまで復刊されることもなかろうから、まさしく幻のデビューマンガってことになるんじゃないかな(リミックス版が6/24日発売だそうな。……買うか?)。
コピーがほしい人は送ってあげてもいいよ(古本屋で探した方が早いか)。
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06月03日(月)
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