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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■懐かしき人々の狂乱
 うわあ、受付も入口も、てんで殺風景で、まるで演劇を上演するような感じじゃないなあ。……って、見た目、倉庫のドアじゃん。
 ちょうど、待ち合いのところで、赤ちゃんをあやしながらチラシを折っている愛上嬢と会う。
 「あらあ! お久しぶりですゥ!」
 私とこうたろう君の両方への挨拶だろうな、これ。
 そう言えば、殆ど前回の公演以来かな(間に一回くらい遊びに来たかもしれないが忘れた)。けれど相変わらず喋りのテンションが高い高い。
 でもって、愛上嬢、とても二人の子持ちにゃ見えないくらい若い。もうハタチも半ばを過ぎてるくらいだろうけれど、赤んぼ抱いてなきゃ10代にだって見える美人さんだ。……羨ましいぞ、鈴邑君(←旦那さんね)。
 しかし、ウチで一番演技力のあるやつが二人の子供の子育てに忙殺されてるんだから、もったいないったらないんだけど、どうもご本人もそう思っているらしくて、散々今回の役者に関して愚痴を言う(^_^;)。コラコラ、愚痴を言うのは私の仕事だ。
 この子も、もう一回くらい、チョイ役でもいいから舞台に立たせたいんだけど、生活のことを考えると難しいんだよね。ウチ、一応、人材がいないわけじゃないんで、練習する時間と各家庭の経済状況さえよければ、もっと、人が見ておもしろがれる芝居が作れると思うんだけどなあ。
 会場内をちょっと覗いて、その狭さに唖然としながら、腹が減って来たので、食事に出る。


 こうたろう君と「かろのうろん」で昼食。
 彼は肉とじ、私はしめじとじを食べながら、「博多のうどんの腰は『伸び』があるんだよ」などとウンチクを垂れる。例の『博多学』の中に、「博多のうどんは腰がない」と書いてあるけど、それは「福岡のうどん」だ、と注釈をつける。ウンチク聞きながらの食事って、あまり楽しいものではないだろうが、こうたろう君、美味しいと言って食べてくれる。ありがたいことだ。
 櫛田神社を突っ切って、「博多ふるさと館」で博多織の実演を見る。ここは小さいところだが、時間がちょうど合えば、博多人形造りなどの実演が見られて、観光の穴場になっているのだ。しかも日曜祝日に来ても殆ど混んでいないのがいい。
 「爺ちゃんの家がこんなだったからなあ。ほら、この引き戸の木が擦れる音が好きだったんだよなあ」なんて、こうたろう君を置いてきぼりで懐旧に浸る私。……職人の家に生まれると、どうしてもこういう昔の「生活臭さ」ってヤツに惹かれてしまうんだよね。
 今日がちょうど「母の日」であったことにも気づいて、萬行寺に寄って、母の墓参り。そう言えば今年はまだ墓参りもしてなかった。もっとも、カーネーションの一つも持ってきてないんだけれど。
 こうたろう君に「悪いね、無理やり付き合わせちゃって」と謝ると、「いや、以前、お世話になったから」と言ってくれる。ううう、こんちくしょう、私を泣かせようって算段だな。く、くそう、な、泣いてたまるかよう。
 天神まで足を伸ばして、福家書店でオタク本など漁る。
 買うつもりはなかったのに、気がついたら雑誌や単行本など数冊購入。
 ベスト電器LIMBのテラスでひと休憩。ついまたDVDを買いそうになり、こうたろう君に止められる。いかんいかん、また悪いクセが(^_^;)。
 夕方近くになって来たので、川端通で「焼きカレー」を食べて、ぽんプラザへ舞い戻る。これもこうたろう君、美味いと言ってくれてホッとする。


 しかし、開演前2時間、もう4時になろうってのに、やっぱりチラシの一枚もオモテに貼ってない。リハーサルや調整に時間がかかってるのは分るけれど、聞いてみると受け付けも愛上嬢しかいないそうだし(子連れに受け付けさせてどうする)、準備がデタラメ。
 しげの話だと、チラシはここの管理人に渡して貼ってもらうように頼んでたそうだが、未だに貼ってないってことは忘れられてるんじゃないか。仕事してねーぞ、ぽんプラザ。
 仕方なく、私とこうたろう君で手分けして、一階、二階の入口と、4階の出入り口に、チラシをベタベタ貼りまくる。

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05月12日(日)
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