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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■トンデモさんの系譜/『こんなにヘンだぞ!『空想科学読本』』(山本弘)ほか
 もちろん、「お国のために」戦う人はある程度は残るだろうが、逃げた人は日本が勝てば戻ってくりゃいいし、負けたら逃げっぱなしでいれば得なんである。それじゃ卑怯じゃないか、とか、残るものが馬鹿を見る、とか言われそうだが、そもそも「戦争」に突入しなきゃならないような状況を作り上げた責任がどこにあるのか、と言われれば、それは「国」にあるってのが当然の理屈。戦争を回避してもらうために選んだ政治家が戦争を始めたんじゃ、国民に見限られても仕方ないだろう。
 その「お国」に従って戦う人間が、巻き添え食らいそうになって逃げる人間を恨むのは筋違い。ちゃんと守って帰って来れるようにしろよ、それが「責任」の取り方ってもんだ。「非国民」なんて呼ぶなよ、こっちは「自主疎開」してんだ(^o^)。
 一見「逃げている」ように見えるかもしれないが、それが「自分の日常を守る」ということなのである。「国」が逃げるのは責任逃れだが、個人が逃げるのは当然の権利だ。重ねて言うが、「みんながそうしているからそれに従わなければならない」という「洗脳」に対抗するためには、平凡な日常を書き続けることが最も有効な方法なのである。
 ……あ〜、そこのアナタ、また職場で何かあったな、とか、勝手に憶測しないようにね。まあ、あったんだけど、そこは突っ込まないのがマナーってもんです(^o^)。


 ……とまあ、こんなことを考えてたのも、この本読んでたからなんだけども(^^)。
 山本弘『こんなにヘンだぞ!『空想科学読本』』(太田出版・1365円)。
 いまやチマタで大論争の柳田理科雄『空想科学読本』の批判本なんだけど、山本さんのHP、「SF秘密基地」でも、先刻から何度もBBSを賑わせてるんだよねー、トンデモさん同士が(^_^;)。
 『空想科学読本』シリーズのほうはしげが毎回買ってくるので、一応、何となく全冊読んではいるんだけれど(感想はいちいちアップしてません。私が読んだ本をいちいち全部日記に書いてるかと思ったら大間違い)、よく批判されてる「愛がない」って批判以前に、「芸がない」というのが正直な感想。
 腹が立つほどのものでもないので、無視してりゃいいじゃん、と思ってたんだけど、まさか山本会長がこれだけご立腹されてるとは。\(°o°;)/
 ノストラダムス本批判の時もそうだけれど、山本会長、ある一定以上の読者がクズ本についちゃうと、「このままでは正しい知識が伝わらなくなる!」と義憤を感じられるのだね。でもその「批判されてる」状況がまた、クズ本に脚光を与えて読者を増やし、結果、「山本弘の言うことより、柳田理科雄の言うことの方が正しいんじゃない?」という読者も増やすことになってるのだから、逆効果の面もあると思うんだけれど、ホントに心底マジメな方だから、もう止まらないんだろうなあ。……まず確実に『空想科学読本』シリーズ、4巻まで来てりゃ発行部数自体も落ちてるし、ほっといて数年後に笑い飛ばした方が無難だと思うんだけどねえ。
 同人誌でご一緒させて頂いた縁から言えば、山本さんのヒイキをしたい気持ちもあるのだが、ただやっぱり批判するにしても、もちっと「芸」がほしかったなあ、というのが正直な印象なのだ。
 山本さんに対しての批判の代表的なものは、
 1、「山本会長の科学的知識にも間違いがあるので、柳田氏を批判するのは目クソが鼻クソを笑うようなもの」
 2、「批判をするのに、その説ばかりか、作者個人の人格攻撃をするのはいかがなものか」
 3、「売れてる本に便乗するな」(^_^;)
 というものだろう。
 どれも実は批判と言うよりはただの難癖だ。
 1のような「山本会長のミス」についての批判はもちろんあってしかるべきだろう。事実、山本会長自身も執筆後にミスがあったことを認めている。ただ、「山本会長の本にもミスがあったから、柳田理科雄の方が正しい」とか、「山本会長の本は読むべきではない」という方向に批判者が持っていこうとするのは筋違いだ。批判者がトンデモさんだと、すぐそういう方向に暴走するのよ。

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05月05日(日)
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