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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■だめおんなず・うぉ〜か〜/『ネコの王』2巻(小野敏洋)ほか
 それはそれとして、『課長島耕作』(もう取締役まで行くみたいだが)を一度も読んだことないってのはやっぱり不勉強だよなあ。弘兼さんは『人間交差点』で飽きちゃってたし、団塊の世代だの全共闘世代だのにどっぷり浸ってたやつの書くものって概ねバカ本だったから(偏見じゃねーだろ、実際、一番どっぷりだったやつらはテロ起こしてるんだし)、全然読む気にならなかったんだけど、私たちの世代が全く興味を持たない本が今も売れつづけてるって現象はやっぱり凄いなあ、と思うのだ。
 不思議なもので、この世代の更に前の世代、戦後派だの戦中派の人たちの本になるとまた面白く読めるんだね。要するにこいつらに対して「自分たちは高度成長の中で苦労してたつもりかもしれないけど、結局はバブル引き起こしたバカの集まりじゃん」って思いがあるからなんだよなあ。
 でも偏見かもしれないし、そのうち読んでみよう。つまんなきゃ「やっぱりあの世代は」って言えるしな。


 食事を作る元気もないので、しげに弁当かなにかを買ってきてくれるように頼む。しげは私が具合の悪いときほど何もしてくれないから、本当は頼みたくなんかないのだが、実際にカラダがきつくて外に出る元気はないし、確実に病状が悪くなるとわかってるので仕方なく頼んでいるのだ。
 でも案の定、しげ、「風呂にはいんなきゃなんないからすぐには無理」とか言い出す。
 外に出るなら風呂はあとにしたっていいだろうと思うが、頼んでるのはこちらのほうだから、待つことにする。
 ダラダラダラとしげ長風呂。
 「メシ頼むよ〜」
 と再度言うけど、無視される。
 シツコク頼んで、やっと「じゃ、行ってくる」と着替えて出かけるしげ。
 「でも本屋も回るから遅くなるかもよ」
 遅くなるなら先に行っとけ! と思うが元気がないのでガマン。 
 10分。
 20分。
 ……1時間。
 いくらなんでも遅過ぎる。あと1時間でしげのバイトの時間だ。
 仕方なく携帯に電話を入れるが繋がらない。
 メッセージを入れ、しばらく待つが返事がない。
 再度呼び出すけれど同じ。
 もう時間的に、しげは仕事に出かけている時刻だ。
 日頃、人にはいろいろ食事作らせるくせに、こっちが具合が悪い時にはこの仕打ちか。
 切れて、携帯に最後のメッセージを入れる。
 「もう、お前は家に入れん」

 そのまま、玄関の鍵を締めて寝る。
 午前3時、帰宅したしげがドアベルを鳴らす。
 ドアを蹴っ飛ばしたりしてるので、何も反省してないことははっきりわかる。
 電話を掛けてくるが、これも無視。
 少し間をおいて、もうアタマが冷えたかと連絡を入れるが、謝るどころか「なんで締め出すん!」と激昂。
 電話を切る。

 しばらくして、また電話を入れる。
 しげは近所のファミレスで悠々と飯を食っていた。ますますカチンと来る。
 「まだ自分が何やったかわかってないのか?」
 「……ご飯、買ってこなかったこと?」
 「どうして頼んだこと無視したんだよ」
 「仕事の時間が早まったんだよ。買いに行く時間がなくなったから」
 「じゃあ、どうしてその連絡入れなかったんだよ」
 「……忘れてたから」
 やっぱり弁当頼まれたのを「忘れた(多分本屋回ってるうちに)」のであって、仕事の時間が早まったってのは言い訳なのだ。
 自分の失敗を誤魔化すつもりでまた見え透いたウソをつく。
 しげが今まで何十回もやってきた手だ。
 ここまで「ごめんなさい」の一言はしげの口からは全く出て来ない。
 「携帯に伝言も入れたろ? 最初に謝れば、俺だって怒ったりしないのに、どうしてすぐに謝れないんだよ」
 「伝言聞いてないし」
 「俺には携帯使えってしょっちゅう言うくせに、自分に送られたのは見ないってか。そんな勝手があるか?」
 「……ごめん。これから家事もちゃんとやるし、朝晩の送り迎えもするよ。だから家に入れて」
 どうせその場限りのウソだろうなとは思ったけど、「ゴメン」と言ったので、一応、家に入れる許可は出す。

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02月25日(月)
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