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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■さだまさしファンだったことが恥ずかしくて言い出せないやつ多いと思うぞ。……私もだ/『シックス・ボルト』(神野オキナ)
 すぐ謝ったから許したけどさあ(しげが「謝っても許してくれない」と私のことを非難するのがウソだということがこういうところでもわかる)、でも気がつけよな、量見て……って、考えてみりゃ、日頃から二人前三人前をペロリと平らげるしげに「二人分」という感覚がないのも当然だったのだ。
 宴会とかじゃ、ネコかぶって少食のフリするくせに。かぶらんときもあるからもうバレてるか、こいつの本性。


 ニュースを見ていると、宮崎駿が、金熊賞の受賞記者会見で「自分の映画が子供をダメにしてる」と発言。
 わあ、また例の「宮崎節」だ。
 もちろん、こんなことを宮崎さんが本気で考えてるわけないんで、だったらとうの昔にアニメーター辞めてるに決まってる。
 世間じゃこの宮崎さんの「言ってることとやってることが違う」ことに反発してる人も多いようだが、なあに、昔からのファンにはこのテキトーぶりが楽しいんですって。
 だって、『やぶにらみの暴君』パクリまくっときながら、「今の若いアニメ作家はみんなコピーのコピー」なんて言っちゃう人ですもん。お前はオリジナルマモーか。
 もちろん、宮崎さんにホラ吹いてるって自覚がないわけがない。あの無責任さ、テキトーさは明らかに確信犯なんである。
 あのさ、植木等の無責任男、公共の場では「これからのニッポンはぁ」とか、必ず大層なこと言ってたよね、あれと同じなのよ。あるいは『炎の転校生』の伊吹。
 「心に棚を作れ!」
 自分を棚に上げずに、ものが言えるか! ってのがモットーみたいな人なんだから、我々はそのいい加減さを楽しんで見てりゃいいのである。
 ……ジブリのスタッフは大変だろうけど。


 東京都世田谷区の東急田園都市線三軒茶屋駅で、昨年4月、銀行員の牧顕さんが暴行を受けて死亡した事件で、東京地裁は19日、傷害致死罪に問われた少年二人に対して、検察側の求刑通り、懲役3〜5年の実刑判決を言い渡した。
 とまあ、ここまでなら、ごく普通の裁判なんだけどもね。
 さて、このあとが見モノだったんである。
 裁判長の山室恵氏、判決後に、「酔った被害者が絡んだとはいえ、命を奪われるまでの落ち度はなかった。遺族らの無念さは察するに余りある」と述べたあと、「唐突だが、さだまさしの『償い』という歌を聴いたことがあるだろうか」と二人の被告に問いかけたのだ。
 ……あの、私、正直に言いますが、テレビの前でこけました。
 あの、ガッコーのセンセーが生徒叱るんじゃないんですよ、裁判ですよ、しかもよりによってさだまさしの『償い』〜?
 あの、私がコケた理由、ちょっとわかりにくいと思うんで、さだまさしの『償い』、ちょっと引用しますね。

  月末になるとゆうちゃんは 薄い給料袋の封も切らずに
  必ず横町の角にある郵便局へ とび込んでゆくのだった
  仲間はそんな彼をみてみんな 貯金が趣味のしみったれた奴だと
  飲んだ勢いで嘲笑っても ゆうちゃんはニコニコ笑うばかり

  僕だけが知っているのだ 彼はここへ来る前にたった一度だけ
  たった一度だけ 哀しい誤ちを犯してしまったのだ
  配達帰りの雨の夜 横断歩道の人影に
  ブレーキが間にあわなかった 彼はその日とても疲れてた

   人殺し あんたを許さないと
   彼をののしった被害者の奥さんの涙の足元で
   彼はひたすら大声で泣き乍ら
   ただ頭を床にこすりつけるだけだった
 
   それから彼は人が変わった
   何もかも忘れて 働いて 働いて
   償いきれるはずもないが
   せめてもと毎月あの人に仕送りをしている


  今日ゆうちゃんが僕の部屋へ泣き乍ら走り込んで来た
  しゃくりあげ乍ら彼は一通の手紙を抱きしめていた
  それは事件から数えてようやく七年目に初めて
  あの奥さんから初めて彼宛に届いた便り

  「ありがとう
   あなたの優しい気持ちはとてもよくわかりました
   だからどうぞ送金はやめて下さい
   あなたの文字を見る度に主人を思い出して辛いのです
   あなたの気持ちはわかるけど

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02月19日(火)
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