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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■福岡演劇事情/『KATSU!』1巻(あだち充)/『サムライ・レンズマン』(古橋秀之)ほか
 福岡には「ももちパレス」という演劇・コンサート専門の劇場がある。
 名前通り、百道(ももち)にあるんだが、「よかとぴあ」が開かれる前には、この百道ってとこ、ただの海水浴場で、そんなに年がら年中賑わってたとこじゃ無かった。
 今やホークスタウンが出来て、福岡の集客率ナンバーワンかツーかってとこにまでなっちゃったんだけど、そうなる前から、私はときどきこの「ももちパレス」に行っていた。
 もちろん、演劇の公演を見に行くためにである。
 夢の遊眠社の『半神』の福岡公演もここで見た。あのころの野田秀樹はおもしろかったなあ。
 東京の名だたる劇団が福岡公演を打つ時には、たいていここを使っていたのである。というか、20年以上前になると、福岡で演劇が上演可能なところと言ったら、少年文化会館(高校演劇大会の類はたいていここで上演される)か、福岡市民会館(歌舞伎や新派はここを利用することが多い)か、郵便貯金会館(現在のメルパルクホール福岡。単発の公演はここが多い)くらいしかなかったのだ。
 しかもこれらは全て「演劇専門」というわけではない。
 「ももちパレス」は、演劇人にとっては、「唯一」福岡で本格的な演劇を見せることのできる劇場だったんである。
 しかし、今、福岡の演劇事情はぐっと変わった。
 大劇場、といった感じの施設が、この20年で立て続けに建てられれていった。
 博多埠頭の「福岡サンパレス」を初めとして、「大野城まどかぴあ」や、川端の「博多座」、住吉キャナルシティの「劇団四季福岡」。
 「宗像ユリックス」はちょっと遠いけど(なぜか三谷幸喜の芝居はここが多い)。
 これらと競合するのに、「ももちパレス」は福岡都心部からいかにも遠かった。なにも百道くんだりまで行かずとも、公演が打てるようになったのである。と宇今日の劇団は、こぞって福岡都心部に公演の拠点を移した。
 必然的にももちパレスは寂れて行く。百道自体に客は集まっていたが、魅力のない芝居にまで足を伸ばす客は少なかったし、たまにいい公演をやっても、ホークスタウンに集まる野球バカどもは、演劇を見るような知性をカケラも持ち合わせてはいなかったのである。
 で、ついに決まっちゃったわけだ。
 ももちパレスの廃止が。
 
 昨日、2月19日、特に公演があるわけでもないのに、仲代達矢・山本圭・栗原小巻の三氏が福岡市庁を訪れた。
 ももちパレス存続の陳情である。
 俳優座や無名塾、実は毎年のようにこの「ももちパレス」で公演を打ってたんである。
 福岡に住んでる人でも意外と知らない人多いんだよねー。
 理由は簡単。
 平日、火・水・木の三日間とか、そんな集客率がいかにも悪そうなときしか上演しなかったからなんだよ。
 どうして土・日を避けたかって?
 避けたわけじゃない、土・日は予約がいっぱいで、公演打とうにも打てなかったんだ。
 どこぞの婦人会の日舞の発表会とかのせいでな。
 それでも仲代さんたちはしょっちゅう来てくれてたんだよ、福岡に。見に行きたくてもいけなかったけどさ。
 なのに廃止だ。
 あくまで「ももち」に拘ってた仲代さんたちが改めてほかの劇場を探すのには骨が折れる。下手をしたら、福岡公演自体を断念しなきゃならないことだってありえる(福岡にプロデュース公演は多くても劇団の巡業が少ないのは「ペイしない」ってのがやっぱり大きいんだよね)。
 だから陳情に来られたというのも、おカネのことよりもなによりも、「福岡の人たちに芝居を見てもらいたい」っていう心からの気持ちなんだろうけど……。
 いくら市に陳情してもねえ、いったん廃止が決まったものをそうそう取り消しはできないんじゃないか。
 おそらく、というか確実に仲代さんたちの陳情は無視されるだろう。
 政治的に動いてどうにかさせるってこと、演劇人はホントに不得意だ。 


 ちょっとおカネがはいったので、仕事帰りにしげとラーメン屋で食事。
 なんの気なしに入った店だったけど、餃子とラーメンが意外においしい。
 しかも、なんの記念日なんだかわからんが、この店、今日に限ってラーメンが半額!
 つまり、二杯食ってもおカネは一杯分!

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02月20日(水)
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