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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■気がついたらマヨラー(笑)/『ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト』(上遠野浩平)/『大秘密』(W・パウンドストーン)
私も私だが、どうしてこの某掲示板には毎夜毎夜(昼もだけど)人が集まるのだ。みんなそんなに寂しいのか。
いや、これは揶揄ではなくてね、チャットやメールなど、ネット通信の弊害を説く人は多いもので、それはそれで理解できないことでもないので、参加する以上は「自分の心の慰め」のためにチャットに集まってる方々を利用しちゃいかんなあ、と自戒しているわけです。
それにしても「某掲示板」なんてまどろっこしい書き方、そろそろやめたいんだが、この日記では私の職業を隠しているが、アチラではもうバンバン正体明かしまくってるので(けど福岡に住んでるのはヒミツ)、二つがつながっちゃうと、パズルを解くように私の正体に近づかれてしまうので、まだまだヤバイのである。……ったって、固有名詞はどこにも出してないのになあ。
職場に基地外さんが多いと、こんなことまで気を使わなきゃならんのが面倒くさいことこの上ないのである。
上遠野浩平『ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト』(メディアワークス/電撃文庫・578円)。
『ブギーポップ』シリーズも第10作(11冊)。
時間が前後しつつ、わずか三年から五年程度の間の出来事を十作も書くというのはなかなか大変じゃないかと思うが(少し整合性も怪しくなってるし)、まあ、もともと「本筋」というのがある話じゃないから、いっか(^^)。
考えてみたら、「外伝」だけでストーリーを続けていくってのも、ウマいアイデアだよな。「とりあえず今までの話は横に置いといて、新しいキャラで始めます」ってことも出来るんだし。
というわけで、今回もいきなりの新キャラ登場(^o^)。
駐車場で自転車を盗もうとしている少女、濱田聖子を偶然見かけた高校生・結城玲治。
未来に何も希望を持たない彼は、気まぐれで「こっちのほうが速いぜ」とスクーターを盗み、聖子と一緒に逃亡する。
しかしそのスクーターにはどういうわけか、プラスティック爆弾が仕掛けられていた。
運よく爆発からは免れた二人だったが、その爆弾を仕掛けたらしい謎の男たちに追いかけられるハメになる。
男たちの車を盗み、更に逃亡を続ける二人に、カーナビの画面に突然現われて語りかけてきた包帯だらけのイタチのCG“スリム・シェイプ”。
イタチは二人に、いたずらっ子のように告げる。
“ロック・ボトム”。それは世界の敵たる兵器。その解放を阻止すること。
「世界の運命は君ら二人の肩に掛かっているんだぜ」……。
ある意味、このCGイタチの「スリム・シェイプ」の方が、タイトルロールの二人より目立っちゃいるんだが、実のところこのキャラクター造型はそう深いものではない。彼の正義感(?)は、そのバックボーンになっている設定のわりにはいささか浅薄だ。
やはりなんといっても魅力的なのは、ホーリィこと濱田聖子と、結城玲治ことゴーストの「俺たちに明日はない」コンビ(^^)。
うん、ホーリィはいいわ、なかなか。
「いつかあたしが、なんていうか――うまくやれる時が来る。あたしはどっかでズレてるけど、それがいつか、ぱちっ、とうまくハマるときが来るのよきっと」
こういう根拠のない自信を持ってるやつって、現実には単なる妄想家だったりするんだけど、物語の中なら人生に前向きなキャラってことでヨシ。
そのあとでちゃんとゴーストから「そんなことばっかり言ってるから、カスみてーな男にばかり引っかかるんだよ」って茶々入れられてるし。
この二人にボニーとクライドのイメージが重ねられてるのはハッキリしてるんだけれど、そういうルーツ探しは本作の場合、あまり意味はないな。これはかつての映画へのオマージュでもなんでもない。
なんだかなあ、みんなうんざりしてると思うんだよねえ、男と女がそこにいりゃあ、必ず惚れた腫れたの話になるってのが。
恋人、しからずんば他人、みたいな両極端でなきゃ許せないのかね。でも、そうでない男女ってのを書いてみたい、読んでみたい、という欲求が、90年代のクソつまらんトレンディドラマの残骸の果てに生まれてきてるんじゃないか。
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02月12日(火)
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