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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■どうしてくれよう。/『マジンガーバイブル 魔神全書』(永井豪とダイナミックプロ)ほか
これで心停止してたら、今頃こんなふうに悠長に日記書いてないなあ。いやあ、危なかった。
なんとかソファを座れる状態にして果てているところに、しげ、穂希嬢を連れて帰ってくる。
「あ、明けましておめでとうございます」
「あ、おめでとう」
そう言えば、穂希嬢と会うのは今年初めてだ。
「ごめん、まだ片付け終わってないけど、とりあえず椅子にでも座って」
けれど穂希嬢、遠慮してるのか立ったままである。あるいはゴミをどけただけでソファが汚いので座る気になれないのかも。
しげ、あとからのほほんと入って来る。
「あれ? 片付けてんの?」
「片付けてんのって……オマエが穂希さん連れて来るって言ったんじゃんかよ」
「でも別に『片付けて』なんて言ってないよ?」
あ、切れた。
バカだバカだとは思ってたが、しげ、ここまでバカだったか。
え〜っと、劇団のみなさん、これ読んでますか。
私はもう限界です。みなさんがウチに遊びに来てくださるのは嬉しいのですが、しげはいつもこんな調子で、私に全て部屋の片づけをさせて自分では何もしようとしません。ですから、みなさんが訪ねてくる時、どんなに部屋が散らかってても、私はもうしげの手伝いはしません。
部屋が臭くてもあちこちにゴミが散乱してても、知りません。それでもよかったらどうぞおいで下さい。一緒に部屋を片付けましょう。しげは放っといて。
気持ちの上ではしげを怒鳴りつけたい気分だったが、穂希嬢がいたのでグッとガマンする。
こういう私のガマンだって、しげには私が人前で体裁を整えてるからだっていうふうにしか映らないのだ。人前でしげを私が叱らないのは、それが即しげの恥につながっちゃうからだろうが。
こうして日記に書いてる分には、私の虚構が混じってる、あえて露悪的にしげのことを書いてるって可能性だって考えられるのだ。だから、ウチに来て見て、「なんだ、案外片付いてるじゃん、しげさんが全然片付けしないなんて、やっぱりダンナのウソだったんだね」と取り繕うことだって出来る。
人前でしげを罵倒しなかったのは、そんなふうに私がしげを気遣ってたってのに、そんなことにも気付いてないのだ。
とゆーか、はっきり何度もそうしげに言ってるのに、3秒後にはしげは忘れているのだ。
何をどうやったら、こんなバカができあがっちゃうのか。
ああ、でも「気持ちが離れる」ってこういう瞬間のことを言うんだなあ。もちろん、しげが心から「ごめんなさい、私が間違ってました」という日が来れば、私の気持ちも戻るのだろうけれど、さて、これを読んでもしげが「ごめんなさい」と言えるかどうか。
しげは、口で言いきかせても、すぐにヒステリーを起こすばかりで、マトモにモノを考えようとしないから、しかたなくこうして文章にしてるんである。
ちゃんと書いとくけど、素直に「ゴメン」って言えたら許すからね。これは別に私が高飛車になって「許してあげる」なんて態度でいるわけじゃないよ、お前は勝手にそう思いこんで自分を正当化しようとしてるけど。
自分が家事ほっぽらかしてるのは事実だろ? 「あんただって」とか「自分だって気遣いはしてる」とか言い訳をして、自分の身だけを守ろうとするな。それはただ卑怯なだけだ。守らなきゃいけないのは、自分の立場じゃなくて、「生活」だろうが。それを素直に反省しろって言ってんだよ。どんなに言い訳したって、一緒に暮らす基盤を自分自身で放棄してるのは厳然としてるんだぞ。
自分が間違ってるとはっきりわかってるのに謝れない人間なんてクズだ。どうせ私はクズだよってヒガムのはもっとクズだ。このままクズに成り果てて、トシ取ってくつもりか?
もういい加減で「素直に謝る」、これだけでも学習しろよ。意地を張るな。
ハッキリ言われなきゃ分らないって、ハッキリ言ってもオマエがわかったためしがあるのか? だからバカバカ言われるんだ。
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01月30日(水)
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