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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■チュパカブラってなんだよ/『機動戦士ガンダム ジ・オリジン ―激闘編― SECTION T/U』
アルファベットでタイトルに『GUNDAMA』って書いてあるけど、これ、そのまま読んだら「グンダマ」としか読めないよなあ。新しい隕石の一種か(^o^)。
あと、「No.003」とあるけど、3桁ってことは最低100冊は出すつもりなのかな。冗談でなく、『ガンダム』『Zガンダム』あたりまで描いたとしたら、そこまで行っておかしくはないけどね。
実を言うと、単行本が出るまで、安彦良和さんの『機動戦士ガンダム ジ・オリジン』の感想書くのやめようかなあとか考えてたんだけど、二度目に読んだときは読んだときで新たな発見もあるかもと思って、書くことにした。
今回は、『―激闘編― SECTION T/U』。
シャアとアムロの最初の対決だ。
そう、その最初の一発を赤い彗星がよけて、それからシャアの一発をガンダムが盾で受けて……「これが……戦い!?」……そうだ、モニターに巨大な足が映って……蹴りまくられるガンダム!「未熟だな、連邦のパイロット!!」。
うおおおお、聞こえてくるよ、渡辺岳夫のBGMが!
この醍醐味、ファーストガンダムに入れ込んだ世代じゃなきゃわかるまいなあ。うひひひひ、これこそが早く生まれた者の特権ってヤツだね(年寄りの繰り言とも言う)。
もちろん、テレビシリーズそっくりの展開もあれば、変更点もある。
ブライトさん、テレビに比べてずっとバカになってるし(^o^)。
「宇宙へ出たの始めてなんですよ。司令部での勤務が長かったものでね」ってセイラさんに言ってたセリフ、テレビで見てたときは、てっきり気弱になってセイラさんに甘えてたんだと思いこんでたよ。
だって、テレビの作画は、結構ブライトさんを凛々しく描いてたし。少し上を見上げて、鈴置洋孝さんもキリリと思い深げに喋ってたんだよ。
なのに今回のマンガ、ブライトさんの表情、上を見上げちゃいるけど冷や汗流してるし、片眉上げて口元が歪んでてさ、いかにもイヤらしいんだよねえ。
……とゆーことは何かい、これって、単に「ボクってエリートなんでナイーブなんだよねえ」って、セイラさんにコナかけてただけじゃん!
そ、そうか、それでセイラさんは「エリートでいらっしゃったのね」って答えてたのかあ!
この勘違い、私の読解力が低いってだけの問題じゃないと思うぞ。
たしか鈴置さんも、「最初はカッコいいヤツのつもりで演じてた」って言ってたから、それを安彦さんは始めから「いじられキャラ」としてブライトさんを描き直しているのだ。あああ、芸が細かい!
ルナツーでのシャアの強襲もオリジナルな展開。
「オレはシャアに勝てるかもしれないっ!!」ってのぼせあがってるブライトさんもいいなあ。戦ってるのは兵士だろうがよ。これでちゃんとブライトさんを「嫌いになれる」。
シャアの不敵さもここで再確認。「おもしろい、こうまであなどり難い敵か!!」。
そして出たぞ、ルナツー司令・ワッケイン。
チョイ役だが結構好きなキャラだ。映画版ではブライトたちに同情して涙まで流して軟弱化したが、もうテレビシリーズ以上に酷薄な軍人ぶりを見せつける。
ブライトさんの軍規違反を咎めだて、「せめて避難民をおろさせてください!」の嘆願にも「善処しよう」。
……絶対、やる気ないよな(^o^)。これがまさしく軍人として司令にまでなれた証なのであろう。
安彦さんが、サイン会レポートで「ガンダムは『いらないしっぽだ』と言い続けていましたが、20年たって『あれはやっぱり単なる過去ではなかった』としみじみわかりました」と語られている言葉を聞くと、その境地に達せられた安彦さんに心から拍手を送りたくなる。
「ジェームズ・ボンド=ショーン・コネリーと思ってもらいたくない」というような心境と似たようなものだったんだろうけれど、「代表作」ってヤツは何をどうしたってその人間についてくるものなんである。その覚悟の上で描かれる『ジ・オリジン』がどのようなものになっていくか、これを期待せずに何を期待しようか。
01月15日(火)
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