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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ぷれぜんとってぷれぜんとってそーゆーもんか?/『パンゲアの娘 KUNIE』2巻(ゆうきまさみ)ほか
 それがもう、ホントに十万以上ってのばっかり持ってきやがんの。
 ……しげのスタイル見ろよ、三越にジャンパーとジーパンで来る女が、なんでそんなケバケバしい宝石つけるかって。
 腋の下を脂汗が流れるのを感じちゃいたが、表向きニコニコと、「他のもいろいろ見て、じっくり決めようよ」としげに声をかけながら、できるだけこの場を離れるきっかけを作ろうと必死である。
 結局、しげの気に入ったアクセサリーが決まらず、別の店に回ろうということになったが、この間、30分以上、生きた心地がしなかった。
 ……しかし、しげも、たいして買う気も無いくせに、冷やかすだけ冷やかすって、いい根性しとるわ。

 そのあと、年末録画用のビデオテープを買いにビックカメラに流れる。
 ウチの近所の電器屋にはあまり置いていないS−VHSの180分テープを買いこんで帰ろうとしたら、しげがパソコンの液晶ディスプレイの前で、じっと『ルパン三世カリオストロの城』の映像が流れているのを見ている。
 「どうした?」
 声をかけてもしばらくは答えず、ほうっとタメイキをついて、「これいいやろ?」と言う。
 「ああ、キレイだな」
 「……ほしいんよ。新しくパソコンも来たし」
 ちょっと、イヤな予感がした。おもむろに振り向いたしげはあたかも愛玩動物のような目で、一言。
 「買って?」

 というわけで、結婚記念のプレゼントは、KCSの液晶ディスプレイ(4万円ナリ)になったのでした。

 「結婚記念のプレゼントはアクセサリーとかムードのあるものじゃなくちゃ」とかホザイとったのはどこのどいつやああああああ!
 しげの具合もすっかりよくなったみたいだねー。
 ああ、よかったよかった。……なにがだよ。


 帰宅して(当然私は自転車で寒空を帰りました)、しばらくニュースともご無沙汰してたので、何気なくテレビをつけると、池田小学校児童殺傷事件の宅間守被告の初公判の日だった。
 宅間被告、開口一番、「座ったらあかんのか?」とやらかして、裁判長から「立ったまま聞いてなさい」とたしなめられる一幕がある。
 一応、「命をもって償います」とは言っているものの、だるそうに足を組んだりする態度に、マスコミはこぞって「反省の色がない」と怒りの報道。
 けどさ、反省するほどの理性があるんなら、もともとこんな事件、起こしちゃいないんじゃないの? それに、下手に反省されちゃうと、「死刑」に出来なくなったりする可能性もあるから、これは「正しい」行動と考えればいいんじゃないのかね。
 だいたい、遺族は被告が「反省」したら許せるんだろうか。
 どんなに反省したって、自分の幼子を奪われた恨みは消せないのではないだろうか。
 第一、被告が「反省」するためには、拘置所に「隔離」した状態では不可能だろう。遺族の恨み一つ受けない「安全圏」にいたのでは、もともと自分の犯した罪の重さを感じるきっかけ自体、生まれまい。
 弁護士がどんなに弁舌を振るって被告に反省を求めたところで、肝心なところでその言葉には「命の重み」が欠けている部分があるような気がする。努力している弁護士さんには悪いが、所詮は彼らだって遺族とは他人なのだ。
 「さっさと死刑にしてくれへんかなあ」みたいな被告の態度は、まさしくその「命の重み」が伝わっていない証拠だろう。それとも、その被告の「無反応さ」がまさしく精神病によるものならば(詐病説も報道されたが、これだけの事件を起こしてるんだから、そんなに簡単に判断できるもんじゃあるまい)、この事件は、回避することが出来なかった悲しい出来事としか言いようがないんじゃないか。
 報道を聞いていて胸糞が悪くなるのは、「どうしたら宅間被告を死刑にできるのか」という視点がウラに見え隠れしてる点だ。死刑にして終わりって問題じゃないだろうに。遺族のやりきれない思いをどうしたらケアできるのか、こういった事件の再発を防ぐことはできるのか、それを語っていくのが報道の仕事なんじゃないのか。
 マスコミ、もうこの事件を過去のものにしたがっているのである。


 野村佐知代、5000万円払って保釈。

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12月27日(木)
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