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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■イベント近し、ネタは無し/『これで古典がよくわかる』(橋本治)/『だめんず・うぉ〜か〜』2巻(倉田真由美)ほか
今年最後のアニメ『ヒカ碁』、どのへんで区切れるかと思ったら、囲碁大会の直前。盛り上げるためにはもう少し先に進んで、アキラとの対決あたりまで行っておいた方がよかったような気もするけれど、話がダイジェストになっちゃうのもなんだから、まあ、無難なところかな。
今回の目玉はなんと言っても、桑原本因坊の声を誰がやるのかってことだったけど、まさか、納谷六朗さんとはねえ……。
悟朗さんならともかく、これはちょっとミス・キャストなんじゃないの?
いや、六朗さんが嫌いってんじゃなくて、声が若すぎる(ホントはいいトシなんだけどね)。この手のジイさん声だと、もう、故・宮内幸平か永井一郎か八奈見乗児と相場が決まってたから、ちょっと目先を変えたのかもしれないけれど、1回だけの登場ならともかく、今後も出演するんだしなあ。
ああ、こうなると倉田六段にもどんな声の人があたるのか、ちょっと心配になってきたぞ。私の心の中ではもうアレは林家こぶ平以外の声は思いつかないんだが(^^)。
DVD『三大怪獣 地球最大の決戦』再見。
若林映子のコメンタリーつきで見る。一時期、死亡説も出たくらい若林さん、世間に露出してなかったから、今もなお艶やかで若々しい声を聞くと、うれしくなってくる。
若林さんが「金星人」を演じてたときのあの浮浪者風の衣装、あれはご本人の普段着だそうである。沢村いき雄から奪ったんじゃなかったのか(^o^)。しかし、女優さんが普段から着飾ってるわけじゃないって雰囲気がよかったんだよなあ。思えらく、スターが必ずしもスターっぽくないところが、サラリーマン喜劇でも鳴らした東宝のいいとこだったと思うんである。
ラストの夏木陽介の記者と、若林さんの王女との別れの演出が、『ローマの休日』っぽいことは見た人ならすぐに気がつくところだけれど、あれは、本多猪四郎監督自らの指示だったんだなあ。関沢新一の脚本にもともとありはするのだけれど、若林さんが『ローマの休日』のファンなので、サービス的に行った演出らしい。
記憶を喪失していたはずなのに、「あなたに助けられたことだけは覚えています」ってのは、こりゃいろいろラストを締めくくるのに結構使えるよなあ。……実は既に形を変えて自分の脚本の中で使ってんだけれど(^_^;)。すみません、前回のウチの芝居の『鴉』のラストは、『三代怪獣』のモジリです。気がついたやつがどれだけいるか(いね〜って)。
もう、二人の距離は離れているはずなのに、ほんの一瞬だけ交錯する……って、これ、子供向け映画の演出じゃないよなあ。だったらどうして「みんなでキングギドラをやっつけましょう」なんてアホなこともやっちゃうのか(-_-;)。
ギドラが後半ですっかり弱っちくなっちゃうのが、なんとも残念でならんよなあ。
いろいろ興味深い話は多かったんだけれど、俳優さんの思い出話は、撮影の苦労は語れても、特撮の現場を知らないことも多い。
だから、若林さんが、インタビュアーに「キングギドラは首と羽とシッポと、全部操演だったんですよ」と説明されて、「そうだったんですか?」と40年ぶりくらいにビックリしてるってのが、ちょっともの淋しい。
当時の俳優さん、特撮ってものに対して、偏見とまではいかないんだろうけれど、さほど興味がなかったんだなあということがわかっちゃうんで。
かと言って、わかりすぎるくらいわかってる京本政樹みたいなのも困りもんなんだけれど(^_^;)。
しかし、DVDのおかげで画質がよくなるってのも考えもんなんだよなあ。
もう、背景の空が書割りなのがバレバレだし、ピアノ線はおろか、キングギドラのウロコが剥がれてるのが見えたりするし。
それでも新作のキングギドラより巨大感もあるしよく動いてるってのがどうもねえ。
橋本治『これで古典がよくわかる』(ちくま文庫・714円)。
タイトルがいかにも学習参考書みたいで全然キャッチーじゃないんだが(この「キャッチー」って言葉ももう死語かな)、更に「ちくま文庫」じゃ、いったい誰が手に取るんだか。
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12月26日(水)
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