ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491657hit]

■幸せを配る人/映画『アメリ』/『あひるの王子さま』2巻(森永あい)ほか
 フランソワーズの兄のジャンも、原作で登場しているのは「誕生編」と「時空感漂流民編」の2編のみだが、今回のキャラデザインは「誕生編」をベースにしている。

 フランスの港に立ち寄ったドルフィン号から降り、つかの間のクリスマス・イブを楽しむフランソワーズ。
 生き別れた兄・ジャンや、バレエ団からブラックゴーストに誘拐された過去を思い出しているうちに、フランソワーズは、何者かの気配を感じ取る。そして彼女は、かつてのバレエのライバル、ナタリーに出逢う。
 数十年が過ぎているというのに変わらぬ姿の彼女に。
 この「変わらない姿」って設定も、石森の短編『昨日はもうこない、だが明日もまた……』からのインスパイアだろう。
 原作のあちらこちらから設定を抜いてきてツギハギして、結局、『009』とは別の物が出来あがったという印象だ。
 しかも、第2話ほどひどくはないけれど、やっぱり作画が間に合ってないし。
 幻影のナタリーに向かって、レイガンを撃つフランソワーズ。
 でもレイガンから光は出てないし、ナタリーもそれを避けるんだけれど、体を横に動かすだけで、光の軌跡はない。言葉にするとちょっと伝わりにくいと思うけど、相当マヌケな映像だぞ、これ。
 ……DVD発売のときには第2話ともどもちゃんとリメイクするんだろうなあ。してもらわないと困るよなあ。
 ちなみに『009』DVD情報は以下の通り。

 DVDサイボーグ009『バトルアライブ1〜誕生〜』LIMIT(仮)
 (完全初回生産限定板)AVBA-14296 定価7000円(税抜)
 2002年3月27日発売予定
 特典として「サイボーグ009島村ジョー」アクションフィギュア(ADI限定カラー)を封入。

 ……まさか、30分1話で7000円取る気か……?
 フィギュアなんぞ要らんから、適正価格で売ってくれ……って、多分、DVD制作も間に合わないから、時間稼ぎなんだろうなあ。


 7時過ぎにしげとよしひと嬢、迎えに来る。
 せっかくだから、みんなで映画を見に行こう、ということになったのだ。
 ところが、何を見に行くかがなかなか決まらない。
 「『スパイキッズ』か『シュレック』にしようかと思ってたんだけど……」としげ。
 「で、どっち?」とよしひとさんに聞いても「うーん、どっちでも」。
 で、どっちにするのかが、決まらないんだな、これが。
 ハッと思い出して、「そういえば『アメリ』見たがってなかった?」とよしひと嬢に聞く。時間を調べるとなんとか間に合いそうだ。
 キャナルシティに行く予定を、急遽博多駅に代えるが、さっきまでしげたち、博多駅で買い物をしてたそうなんである。
 なんだ、だったら迎えに来てもらうんじゃなくて、私の方が出かけて行けばよかった。

 シネリーブル博多駅は、拡大上映で1・2、2館とも『アメリ』を上映中。
 そんなに期待されてたのか『アメリ』。
 ジャンピエール・ジュネ監督作品を『エイリアン4』でしか知らない人はちょっと不幸かも。ああいうハリウッド・メジャーに飲みこまれちゃうと、どんな個性派監督だって、その持ち味を減殺されてしまう。できれば『デリカテッセン』あたりを見て評価してほしいものだ。
 アメリカ製のコメディと違って、フランスのコメディは同じようなストーリーであっても、キャラクターの描き方が相当違う。ひとことで言えば、アメリカ製のには作り物めいたワザトラシサがあるんだけれど、フランス映画には、どんなにヘンなキャラを描いてもどこかに「生活感」が感じられるのだ。
 出だしの小気味よさといったら、ここ十年私が見てきた映画の中でも出色の出来だ。
 冷たいお父さん。
 好きなことは工具箱をひっくり返して、中の道具を全部きれいに磨き上げ、また元に戻すこと。
 神経質なお母さん。
 好きなことはバッグをひっくり返して、中に入ってるものを全部確かめて、また元に戻すこと。
 そんな二人の間に生まれたのが、空想好きなアメリ。
 好きなことは、不思議な動物とお話しすること。
 金魚の“クジラちゃん”と仲良くすること(たまに自殺未遂するけど)。

[5]続きを読む

12月23日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る