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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■10年ぶりのスプラッタ/『西原理恵子の人生一年生』(西原理恵子)ほか
 しげは思った通り、メシを際限なくオカワリし続けている。ただ飯はいくらでも入るってことか。でもこれだけ食っても、1時間もすれば「小腹がすいたね」と言い出すのだから、全くどんな消化吸収能力を有しているのか。いつもいつも言ってることだが、しげの胃はブラックホールがバイストン・ウェルに通じているに違いない。
 しげの働いてるリンガーハットの系列の店なので、社員割引が利いて六百円の得。「リンガーで食べて割引されるより、浜勝で割引してもらう方がおトクな気がせん?」としげ。
 そりゃ、おまえが肉好きだからだろう。どこで何をどれだけ食おうが、割引率が同じなら、お得な率も同じなんだが、結局人間の損得勘定なんて、欲望の度合に比例するものなのだ。

 コンビニに寄って、今週の「ジャンプ」を立ち読み。
 『ヒカルの碁』、ついにヒカルが囲碁の世界に戻ってくる。佐為がどんな形で復活するのかと思っていたら、碁そのものに佐為が宿っている、という結末。
 こう文章で書いてしまうと、あまりにも当たり前で意外性のない結果のようだが、なかなかほったさんのシナリオ、小畑さんの作画で、キチンと感動的に見せているのはさすがである。
 「こんなところにいたんだ、佐為」という、ヒカルのつぶやきと涙、ダシに使われた伊角には悪いけれど、たとえ佐為の姿が消えても、この物語はこれからもやはりヒカルと佐為の二人三脚でいくのだ、という道をハッキリと示して、言ってみれば「第一部」の締めくくりとしては、妥当な終わり方と言えるのだろう。
 ……それにしても、ヒカル、細くなって背が伸びたよなあ。
 アニメでまだ小学生のころの丸っこくてチビなヒカルを見ているから、そのギャップがえらく激しい。形ばかりの「成長ドラマ」は多いけど、ヒカルくん、ホントに心身ともに成長してるよ。
 逆を言えば、問題点はまさしくそこにあるのであって、紛れもなく「人間」を描いているこのマンガ、このまま続ければ終わりようのない物語に突入していくことにもなってしまう。人間の成長に「結末」をつけることなんておよそ不可能なことだからだ。
 これまでの「成長もの」(特に梶原一騎の影響を受けた青春マンガ)は、たいてい主人公のまだ見ぬ未来への雄飛を暗示して終わるか、あるいは突然の死亡、崩壊、破滅で終わるかのどちらかのパターンでしか終わらせられなかった。『ヒカ碁』はおそらく前者のパターンで終わらせるしかないとは思うのだが、ここまで盛り上げてくれると、更にこちらの予想を思いっきり裏切るような終わり方をしてほしいとも思ってしまうのである。
 無理な注文かもしれないが、そう期待したい。おそらくヒカルを追撃する新世代のキャラクターも今後は登場してくるだろうことを考えれば、まだまだ、このマンガから目は離せないのだから。


 『西原理恵子の人生一年生』(小学館・1050円)。
 「100%サイバラ雑誌」と銘打ってはいるが、第2号が出るかどうかは1号の売れ行き次第ってトコロがいかにもサイバラさんらしくって正直。
 でもツマンナサの極地で誰が買うんだって思ってたさくらももこの『富士山』だって4号出したんだから、西原さんにはぜひともキリよく「3号雑誌」で昇天してほしいものである。サイバラさんに大ブレイクは似合わないよん。
 ああ、でもホントに『富士山』の四億五千三百八十万倍は面白いぞ、『人生一年生』。
 語りだしたらキリがないが、まずビックラこいたのが西原理恵子オリジナル本格焼酎の通販。西原さん自身がちゃんと試飲したってんだから、これはもう、絶対の信頼に値しよう(^o^)。
 しかし凄いぜ、銘柄が「俺の武器」に「どこへ行く」だもの。ホントに飲んだらどこへ行っちゃうやら解らんぞ。ヽ(^。^)丿
 ああ、でも他に上がった名前の候補で、「ぜってー売れねー」と言いたくなる「目がしばしば」とか「チルチルメチル」とかも捨て難いぞ。戦後すぐのころ、アルコール類が払底していたころ、メチルアルコールの混じった酒を飲んで、目をやられたヤツがしこたま出たって話(ホントかどうか知らんが)、知ってる人も少なくなったろうなあ。


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11月06日(火)
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