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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■至福の休日/アニメ『サイボーグ009』第3回『閃光の暗殺者』/『碁娘伝』(諸星大二郎)ほか
1号、2号、V3に比べてマイナーな彼らだからこそ、村枝さんがより力を入れて描こうという姿勢が、1巻と同レベルか、それ以上にアツク、劇的な世界を作り上げている。
特に、ライダーマンの結城丈二、歴代ライダーの中では人間に一番近く、多分一番弱いのだが、テレビではダサク見えたあの顔半分が見えるデザインが、マンガでは逆に表情を与えられて、ライダーのストイシズムの中に潜むパッションを、「静」の上半分と「動」の下半分で、見事に表現している。
しかもそのことを、あとがきインタビューで、結城丈二を演じた故・山口暁氏の娘さん、山口貴子さんがちゃんと証言してくれているのだ。おう、ライダーマンのスピリッツはちゃんと次世代にまで受け継がれているぞ! 血は水より濃いのだなあ。これはもう、感涙ものである。
次巻で『ストロンガー』、第一期ライダーシリーズのキャラクターは出揃うわけだが、さてこのシリーズ何巻まで続くものなのか。スケールがどんどん行くなってるから、10巻程度じゃ終わりそうにないのだけれど、何年だって付き合うから、2、30巻くらい行ってほしいなあ。もしかしたら、原作マンガより、旧テレビシリーズよりもアツイ物語になるかもしれないし。
マンガ、爲我井徹原作・相良直哉漫画『KaNa』4巻(完結/ワニブックス・945円)。
……え? これで終わり?
もう、実にハッキリとした打ち切り。カナと「七つの頭」との争い、全く決着が付かないまま、カナがバビロニアに旅立ってちゃんちゃん、って何なんだよう。
「バベルの塔」ってのが何なのかも語られずじまいじゃないのさあ。
原作者のあとがき、全く事情に触れてないんで分らないんだが、掲載誌がつぶれたわけじゃないよな、「COMICガム」。
人気がないわけじゃないと思うんだけど、ホントにどんな事情があったんだろう、気になるよう。
マンガ、和田慎二『ピグマリオ』4巻(メディアファクトリー・819円)。
全12巻予定ってことは、ようやく1/3か。
それでもリニューアル版で月1冊の刊行だからペースは速い。時間をそう待たずに読めるのは、和田さんの場合は特にありがたい。……だって、話に深みがないから間を置くと中味をさらっと忘れちゃうんだもの。
いや、これは必ずしも「貶し」ではないぞ。読み捨てられる他愛もないマンガがゴマンとあってこそ、マンガ文化の裾野は広がっていくものだからだ。
でも、だからと言って折り返しに「SF・ファンタジー・サスペンスなどのジャンルでマンガ界に大きな軌跡を残し続ける、屈指のストーリーテラー」っ書くのはやめようよ。そんな大層なこと思ってるの、和田慎二本人だけだって。
マンガ、『超少女明日香 式神編』1巻(メディアファクトリー・580円)。
和田慎二2本立てかい(^_^;)。
しかも新シリーズは陰陽師の子孫の話と来た。『KaNa』もそうだったけど、いくら何でも最近安倍晴明ネタが多過ぎやしないか。ちょっとマンガ家の発想の貧困さを見る思いがするのである。
いやもう、感想はそれだけ。
マンガ、諸星大二郎『碁娘伝(ごじょうでん)』(潮出版社・880円)。
諸星さん十八番の古代中国ものだが、主人公を「碁を打つ美貌の女殺し屋」という設定にしたことが何よりの勝因。
ヒロインは言わば中国の「必殺仕事人」で、弱きを助け強きを挫く、情に厚いがひとたび碁石と剣を握れば冷徹な殺し屋と化す。そのキャラクター造型だけでも充分魅力的なのに、衆人環視の碁の試合の中で、いかにしてターゲットを殺すか、その不可能を可能にしていくアイデアも実に見事。
「お見せしましょう、これが翅鳥剣!」
うわあ、かっこいい!
碁の「輜重」と、剣の「翅鳥」がシンクロした瞬間は、思わず背筋に戦慄が走ったよ。マンガ読んでてこういう経験することって滅多にないんだよなあ。いや、堪能させて頂きました(^^*)。
尋常な完成度じゃないな、と思ってたら、諸星さん、この一冊の単行本を描き上げるのに、16年かけているのである。……馬琴か(・・;)。
それにしても、最近は囲碁マンガの傑作が多いなあ。
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10月28日(日)
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