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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■これは戦争ではない。……まだ。/映画『クイーンコング』/『カムナガラ』3巻(やまむらはじめ)ほか
 アメリカも既に自国民の犠牲者をを「利用」してここまで戦略を拡大させている(日本の「英霊」と全く同じ扱いになってるじゃんかよ)。この事件について何か感想を述べるだけで、我々は否応なしに「戦争に巻き込まれる」ようなシステムが作られつつあるのだ。
 いや、もはやアメリカの犠牲者、あるいはイスラムの犠牲者、どちらか(あるいは双方)に「同情」する気持ちを持つことすら、「戦争肯定」の「思潮」に荷担せざるを得ない状況になりつつあるのである。「イデオロギー」やら「宗教」ってのをあまく考えちゃいかんよ。

 だから言ってる。
 政治家は何らかの態度を取らざるを得ないからしゃあない。けど、民衆まで過剰に反応する必要はないのだ。
 こんなのは「対岸の火事」だ。
 無視しろ。

 ビンラディンの最新映像とやらも何度となく流れて、「ジハード」を訴えている。これだけはっきりとこれは「宗教闘争」である、と宣伝してくれているのだぞ。日本人には全く無関係ではないか。一体いつから日本はキリスト教国になったのだ?
 日本の米軍施設が襲われる危険性? そんなもん、ホワイトハウスが再攻撃目標とされることに比べたら針の先ほどの可能性もないぞ。
 デマを広げようとしてるのは誰だ?

 そして、そのデマに乗せられかけてるのは紛れもなく、アナタなのです。

 しげが言う。
 「戦争になったら、何がイヤかって、『隣組』とかでご近所と『協力』しなきゃならないってのが絶対イヤ。そんなんするくらいだったら、『特攻』して犬死した方がいい」
 至言である。
 敵は常に身内にアリなんだものねえ。


 しげとマツダに寄って、手続きの残りを片付ける。
 しげの銀行印などを押して、これでほぼ書類は出揃う。あとはしげが住民票を取ってくるのと、マンションの管理会社から車庫証明が届くのを待つだけだ。
 外はポツポツと雨が降りだしていたが、映画に行けるのはもう今日しかないので、自転車で傘さし運転、ちょっと危ないが、なんとか博多駅までたどりつく。

 シネリーブル博多駅、実は前売券が公開当日でも一階のチケットぴあで売っている。……少しでも客に入ってほしいという健気な心がけなのだろうか、先にそこでチケットを買って、映画『クイーンコング』を鑑賞。

 タイトルでおわかりの通り、これは女版の『キング・コング』、もちろん正当な続編などではなく、徹底したバカパロディ映画である。いやもう「パロディ」なんてコトバも使いたくないくらい、ヘタレたモジリの連続で、ただひたすら「バカ……」という感想しか出て来ない。
 面白いとかつまんないとかいう評価を超えているのだ。
 筋はもちろん旧作の『キング・コング』(ナカグロで区別しよう)に則ったもの。なんたって、主役の名が「レイ・フェイ」だ(フェイ・レイが生きてるうちにこれを見てたら、どう思ったかなあ)。

 女の、女による、女のための映画を作ろうとアフリカに出かける(なんで?)女映画監督。主演の男・レイを誘拐して、女だけの部族の村に潜入したとたん、レイはまたもやその部族に誘拐されてクイーンコングの生贄に出される。
 で、恋に落ちるレイとクイーン。
 レイを襲う恐竜ティラノ“ハリボテ”ザウルスと戦うクイーン。……このシーンがどつきあってるだけなのにひたすら長い。ともかく長い。
 ……すみません、見ながらこのへんでちょっとオチました。というわけで筋の紹介はあと飛び飛びです。

 お約束通り、ロンドンに運ばれてくるクイーンコング(ニューヨークじゃないのか、と文句言わないように。これ、英=伊合作なんだし、『キング・コング』の更に元ネタ、コナン・ドイルの『失われた世界』では、恐竜は当然のごとくロンドンに運ばれて来るんだから)。
 メスなので、放送上問題があると、鉄のブラジャーをつけられる(でも下半身はスッポンポン。ボトムレスはいいのかイギリス)。怒って鎖を引きちぎって暴れだし、レイとビッグベンの頂上に。
 そこでレイは「女性解放」を訴えて、民衆の共感を得、クイーンとレイはめでたく夫婦揃ってアフリカへ。
 ……で、終わりかい。


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10月08日(月)
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