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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■半年分の食い散らし/『あなたの身近な「困った人たち」の精神分析』(小此木啓吾)ほか
えなりクン、最近はつんくのプロデュースで歌も歌ったりして、相当勘違いしているみたいだが、多分ナンシー関がどこかでこのイタさ加減を皮肉ってんじゃないかな。マスコミや芸能界がどれだけ役者に対して冷たいかっていうのは、こういうとき本気でたしなめてくれるスタッフがいないってことだと思う。
同じ顔の弟も登場してきて(笑)、こちらのほうが「UFO否定派」だというのはいかにもツクリっぽいが、ともかく紹介されるフィルムが誰が見ても特撮だっわかるシロモノなのは視聴者をナメてないか。
……すごく単純な疑問なんだけど、UFOが目の前を横切っていくのに、カメラがそのUFOを追いかけないというのはどういうわけかね。追いかけてるやつもあるけど、それは弟クンが指摘したように、ただの鳥だし。
えなりクンがマジで肯定派だとすると、知能の程度が知れるが、これくらい顔と言動が一致してるタレントってのも斎藤清六以来じゃないか。……いや、『渡る世間は鬼ばかり』を見る限り、えなりクンを「役者」とは呼びたくないんだよなあ。
小此木啓吾『あなたの身近な「困った人たち」の精神分析 パーソナリティ そのミクロな狂い』(新潮OH!文庫・650円)。
明確な精神分裂症でなくても、ちょっとオカシイ、という類の人間はいつの世もいるもので、まあ、危険がない限りそういうオモロイ人はいても全然構わない。
ところが別に精神的にヘンとはとても言えないのに、いつの間にか周囲に迷惑をかけてしまう、という人間のほうが、現実的には「困ったちゃん」であることが多いのだ。
ここで取り上げられているのは、意地悪な人、いじめる人、冷たい人、酒癖の悪い人、暴力をふるう人、嘘をつく人、冷酷な人、意志の弱い人、無気力な人である。
なんだ、全部私だ(^_^;)。
でも、実際、現代社会なんて、こんな人たち「だけ」で構成されてると言ったっていいくらいなのだ。作者の小此木さん、こういう人たちを片っ端から容赦なく「ブンセキ」してくれるのだが、タイトルに「職場や家庭のアノ人たちにどう対処するか?」ってあるのは全くの看板に偽りアリで、対処法なんてこれっぽっちも出て来ない。
例えば、依存型のパーソナリティーを持っている女性が、恋人に捨てられないだろうか、という不安から情緒不安定になってヒステリーを起こし、鬱病になり、アルコールに溺れ……なんて書いてあるから、てっきりその女性をどう治したかってことが結論として書かれてるんじゃないかと思ったら、結局「恋人と別れました」。……コラ、全然治療できとらんじゃないか。
全てがこの調子で、精神分析関係の本でこれくらい役立たずな本を読んだのも初めてである。
作者は、こういう「困ったちゃん」のサンプルを集めて、「自分はこいつらより人間的にエライ」と思い込んでるだけじゃないのか。この作者が一番「困った人」だったという陳腐なオチでありました。
マンガ、園田健一『砲神エグザクソン』4巻(講談社・530円)。
「ガルフォース』以来、園田キャラは好きなので『ガンスミスキャッツ』に続けてかってるんだけど、どうもスカッとした侵略者撃退ものにならないのがモドカシイんだよなあ。
主役の砲一、前巻までは、敵と戦うことをためらったりして、どうにも煮えきらなくて、それがドラマのノリを悪くしてたんだけど、今巻じゃ逆にキレまくって敵を殺してる。この変貌ぶりにどうにも説得力がないのが結構大きな欠点。ヒーローって、基本的にエールを送りたくなるようなキャラじゃないとマズイと思うんだがな。アムロやシンジ君みたいなうじうじキャラに予め設定されてたのならばともかく、もとから猪突猛進型である砲一には、もっと早い段階で、覚悟を決めた行動とっててほしかった。
インベーダーのリオファルド人も、最初のころはキンバー先生のように、侵略そのものを否定的に見る人物なんかを出したりして「人間」であることを強調してたけど、もう最近はただの悪役だ。
……だったらもっとスッキリと、単純な勧善懲悪モノにしてたほうがよかったと思うけどねえ。
マンガ、有希うさぎ『グルメな情事』(秋田書店・410円)。
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09月08日(土)
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