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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■中華幻想/『仙人の壷』(南伸坊)ほか
 でも、もしかしたらこの話も中国の古典にネタがあるかもしれないんだよねえ。
 「人情に拘泥しているこちらの方が未練たらしく感じられる」と南さんも書いているとおり、日本人はどこまでいっても「理屈」をこねくり回さないと落ち着けない、不安神経症が身に染みついた民族なのだ。

 ここでちょっと、私も南さんに倣って、好きな志怪小説の一編をご紹介しておこう。原文から直接訳したので、著作権侵害の心配は一切なし(^▽^) 。
 『列異伝』(あの『三国志』の曹操の息子、文帝・曹丕が撰したもの)の中から、『談生と幽霊』。談生は別に落語家ではありません(^o^)。

 談生は四十も過ぎようというトシなのに嫁の来手がなかった。
 毎日、詩経を読み感激して泣いてるようなヤツだから当然のことであろう。
 ある夜、十五、六歳くらいの少女が、談生のところを訪ねて来た。
 その容姿はおろか、服のセンスに至るまで天下一品、頗るつきの美人である。
 談生に寄り添ってきたので、その夜のうちに夫婦になってしまった。
 少女が言うには、「ごめんなさい。実は私、人間じゃないの。だから火で私を照らして見たりしないでね。でも三年経ったらもう照らして見てもいいわ」
 少女は、妻となって談生の子供を一人生み、その子が二歳になった。
 談生はガマンできずに、夜、少女が寝たのを見計らって、こっそりと少女を照らして見てみた。
 少女の腰から上は肉付きのよい普通の人間の体だったが、下半身は骸骨があるだけだった。

 ご覧の通り、『雪女』プラス『牡丹燈籠』って感じだけど、この手の類話はたくさんあるのね。
 じゃあ、何故これが好きかっていうと、やっぱりツッコミどころがいくらでもあるとこ。
 『詩経』はもちろん「四書五経」の一つで、儒教を学ぶための必須本。「科挙」の試験に受かるためにはこれが暗記、解釈出来なきゃいけないわけで、言ってみりゃこの談生って男、東大に合格するまで、ずーっと浪人してガリ勉してるようなヤツなんだね。
 つまりこいつは四十まで独身だってだけじゃなくて、未だにプー。
 今の日本にもこんなヤツ、いそうな気がするな(^u^)。笑い事じゃないな。私だってしげみたいな物好きがいなきゃ未だにこれに近い状態かもしれない。
 やたらとオタクな趣味に走って、世間の偏見も何のその、女なんかに目もくれずにDVDだムックだ同人誌だと……ああ、イタイ。
 で、こんなヤツがいったん、女にハマっちゃうともう、落ちていくしかないのだよ。……四十過ぎて、十五、六の娘を、出会ったその晩のうちにいきなリ……だもんなあ。こいつ多分、この後は『詩経』なんか1ページも読んでないね。
 こういう話の定番として、男は女との約束が絶対に守れないのな。ルーツはやっぱりギリシャ神話の『オイデュプス』かな。
 やっぱりこの話の後、談生と少女はどうなったのかとか、そもそも下半身がなくてどうやって子供を作ったのかとか、いろいろ疑問はあるが、そんなことはこの編者にはどうでもよかったのであろう。
 「実は奥さまは骸骨だったのです」でオチ。

 さて、この話の教訓はなにか?
 私にゃどう考えても、「勉強ばかりしてると、脳が膿んで、若い女に騙されるぞ」って感じにしか受け取れないんだが。
 ……ああ、やっぱりなんだか自分の運命なぞってるみたいでイタイ、イタ過ぎるっスよ(T∇T) 。
 

 今朝がた洗濯機を回しておいて、しげに干しておいてくれるよう頼んでいたのだが、帰宅してみると何もしていない。昨日もそれで仕方なくもう一度洗いなおさなきゃならなかったのだが、まただ。
 「なんで頼んどいたことしてくれてないんだよ」
 と言うと、
 「だって、自分は洗濯物、洗濯機に突っ込んで回すだけで、干すのは私? ずるい」
 ああ、クソ、こういうことをノウノウと言ってのけるから私が切れるのだ。
 ……その、洗濯機で洗濯物を回すことすらしないでいるから、仕方なく私がやってるんだろうが。
 全部私がやったら、しげは家事を何一つやらないことになるんだぞ。
 で、実際に全部私がやってることも多いし。
 ズルくて卑怯なのはどっちだ。わかりきってる話じゃないか。

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09月05日(水)
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