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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■クルーゾー再び/『パンプルムース氏のおすすめ料理』(マイケル・ボンド)ほか
 足を痛めながら走りきった人に対してヒドイことをいう、とお怒りの方もあろうが、ちょっと待っていたただきたい。
 確かに私も、アニメ『オトナ帝国』や『うる星4』での「走り」には感動しちゃうのに、ナマの人間の走りに何も感じないってのはどういうことなんだろうなあ、私の感覚がヒネクレてるせいかなあ、と一応は首をひねってはいるのである。けれど、ナマであっても、間寛平の走りのほうには毎回ちょっと感動しちゃってるんだよねえ。私も多分、やっかみでものを言っているわけではないと思う。
 高橋尚子の笑顔には何か心打たれるものがあるけれど、有森裕子の「自分を誉めてやりたい」発言には「アホか」としか思えない、なんて差異も、感動できる走りとできな走りの違いに何か関係があるように思う。
 走りきった研さんには悪いが、これはもう「研ナオコだから」としか理由が言えない。24時間テレビというワクの中で走ってるから感動できないというわけではないのだ。
 マラソンが元から好きだったとか、なにかイワクがあるわけではないのに、なぜ研ナオコが走らねばならんの? という疑問がつきまとって離れないことが一番の原因なのだろう。
 まあ、来年も再来年も研ナオコが走っていったなら、こんな「胡散臭さ」っていうのも消えていくのかもしれないけれど。


 昼食はスズキのゴマ焼き、付け合わせ、ジャガイモの含め煮、メロンが100グラム。100グラムだからメロンと言ってもたいしたことはない。小皿に小さく切ったメロンが4、5切れあるだけだ。でも、これをわびしいと感じるのであれば、ちょっと贅沢に慣れすぎているということになるのだろう。
 糖尿病教室も今日から再開。
 今日はスライドで糖尿病治療の歴史の解説。
 聞いてる患者さんたち、みんな「そんな過去の歴史なんか教えるより、どうしたら治療出来るのかを教えんかい」みたいな顔でやや憮然としている。
 けれど私は、どちらかと言うと、そういう歴史的な知識を聞いてた方が、面白かったりするのだ。
 「糖尿病の最も古い記録は、紀元前2000年、エジプトのパピルスにまで遡るんですね。……ハイ、これがそのパピルスです。(スライド映写)……ここに、その糖尿について、書かれてあるんですね、それがどこかと言うと……。わかりませんね。エジプトの文字なんで読めません」
 ちゃんと冗談を交えて教えてくれるところもいいぞ。実際には「尿が甘く、腎臓が溶ける」と書いてあるそうである。やっぱり「尿が甘い」と解ったってことは舐めたか飲んだかしたやつがいるんだろうか。
 世界史上最古の飲尿の記録である。恐るべしエジプト人。
 「糖尿病治療の歴史はそんなに古いものじゃなくて、1921年、フレデリック・バンティングとベストによって『インスリン』が発見されたところから始まったんですね。
 二人は血糖値を下げる物質が膵臓から分泌されてるんじゃないかと考えて、たくさんの犬から膵臓を摘出して、すりつぶしたんです。その抽出物を細かく分けて、それぞれの犬に注射すると、マージョリーという犬だけか、血糖値が2時間で50%下がったんですね。
 その抽出物が『インスリン』だったわけです」
 その後マージョリーは90日間生きたそうな。よくがんばったぞ、マージョリー。
 後に、血糖値を下げることの出来るホルモンは「インスリン」しかないことが判明したとか。我々のカラダ、膵臓一つにかかってる面もあるのである。糖尿を「贅沢病」とバカにするやつもいるが、いったん膵臓が故障するともう二度と元には戻らないのだ。侮れる病気ではないのである。
 村田英雄さんの切断した足の写真も見せられる。
 自分の身にも起こり得ることだと思うと、「かわいそう」という感覚は全く生まれて来ない。仮に神経障害から壊疽を起こし、そんな状況にまで至ったとして、それでも自分に何が出来るんだろう、ということを考えてしまうのである。もちろん今はそうならないように努力しているわけなんだけれども。
 夕食はおでんに冷奴、オレンジ。
 授業を受けたあとだと、一食一食が大切なんだなあ、という気になるから現金なものだ。



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08月20日(月)
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