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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■福岡腰痛クラブ/『庵野秀明のフタリシバイ』ほか
実際マトモに身動きすることも出来ないくせに、入院しないでほっといてもいいものなのか? 寝て湿布するだけで治るものなの?
ともかく動けないというならしかたがない。家事は私がやるしかないので、買い物に出かけることにする。
「買い物に行くけど、ほしいものはあるか?」
「二ク〜」
それしかないんか、お前は。
「あと、『モナ王』。アンタが私の食べたやつ」
……昨日、冷凍庫に一つだけ「モナ王」があったので、てっきりしげが私の分を買っておいてくれたのだと思って、食べてしまっていたのだ。
観測が甘かった。
私は買い物をすると、必ずしげの分も買っておくのだが、しげは自分の分しか買わないヤツなのであった。
「『モナ王』返せ〜」
「わかったよ、買って返すよ」
そう返事はしたものの、実はこれはむちゃくちゃ理不尽な話なのだ。
なぜなら、私が一昨日買っておいた牛肉四人前、私がひと切れも食べないうちにしげに食いつくされているのだから。
「のどシュッシュ(喉に噴霧する薬の事らしい)も買ってきてねえ」
というわけで、薬局を回って、スーパー「大栄」で冷凍食品だのレトルトおかゆだの、手間のかからぬものばかりを買う。
ちょうど土用の丑の日でウナギがやたらと置いてあったので、それも買う。
二尾で680円ってのは高いのか安いのか。鰻屋で食うのに比べりゃ安いのはわかるんだけど。
帰宅してしげと二人で、温めて食ったが、身はポロポロでマズイとは言わんがウマイと言うほどでもない。ウナギは高くてもやはり炭火焼の店で食べるのに限る。
そう言えば「柳川屋」にももう何ヶ月も行ってないなあ。
結局、しげは仕事も休み。
毎年、夏の時期になるとなんだかんだで仕事を休むのはよくないぞ。
『キネマ旬報』8月下旬号、特集は『猿の惑星』だけれど、表紙で猿たちに「見ざる聞かざる言わざる」のポーズを取らせてるのは日本向けのキャンペーンのつもりなのだろうか。
……「面白い」と「つまんない」の境界線にあるようなアイデアだなあ。
いわゆるこの「三猿」、日光東照宮の彫刻が有名だし、日本語としてうまくシャレになってもいるので、日本オリジナルと思われがちだが、やはりインド・中国経由で伝わってきたもの。地方によっては股間を押さえた「せざる」ってのもあるらしいが、まあそれだけ「猿」ってのが欲望の象徴として見られてたってことなんだろうな。
で、『猿の惑星』の原作者、ピエール・ブール。
ご承知のとおり、『戦場にかける橋』の原作者でもある。ビルマ戦線において日本群に抑留された経験もある筆者、この『猿の惑星』もその時の経験をもとにして書いた、という説が根強い。
となると、あの猿たちも日本軍ってことになるわけだけれど、だからって腹を立てるほど私ゃナショナリスティックでもないので、素直にSFとして楽しめればいいなあ、と28日の公開を待ち望んでいるのである。
基本的に映画を見るまで特集記事はザッとしか目を通さないことにしてるので、結局読むのは新作映画の制作状況ってことになる。
冬目景の『羊のうた』を加藤夏希で映画化ってのは個人的には期待しちゃいたいとこなんだけど、原作がまだ事件らしい事件も起こっていない、設定紹介の段階での映画化ってのは、ちょっと早すぎるんじゃないのか。
でも仮にも一本映画を作ろうってんだから、途中で尻切れトンボってことにはしてほしくない。原作と違ったオリジナルな展開になって構わないから、一つの世界をちゃんと構築して完結させてほしいのである。
加藤夏希は、SF・特撮ものばかりに出演してくれるのは嬉しいのだけれども、『ロボコン』『まぼペン』『エコエコ』と並べてみると、どうにもこれが新世紀のSF特撮ドラマだ!って力のあるものがない。
そりゃ考えて見れば当たり前で、これ三作ともリメイクなのだ。
特撮オタクってのは、ストーカー的なヤツも中にはいるみたいだが、一度ファンになったら、簡単に目移りしないでそのヒーロー、ヒロインを愛し続ける律儀さを持っている。しかし、そのためにはやっぱり「作品」自体に力がなくてはダメなのである。
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07月25日(水)
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