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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■全ての知識はマンガから/ドラマ『美少女仮面ポワトリン』第一話ほか
出勤する直前に見た、朝、8:00からの『とくダネ!』で、小倉智昭が、ハムスターを飼っている子供が「アナフィラキシー」にかかっている例が増えている、と紹介していた。
なんだか聞いたことのない病気だなあ、とお思いの方もいらっしゃるかもしれないが、手塚マンガファンには、この耳慣れない病気も実はおなじみのものである。
もちろん、あの『ブラック・ジャック』に紹介されていた病気の一つで、一種の「過敏症」。最初、蜂に刺された時はなんともないのに、二度目に刺されたらショック症状を起こして死ぬというアレですね。そういうわけで注射することも麻酔をかけることもできないという、難儀な病気なのである。
で、それがハムスターとどう関わっているかというと、それまではごく普通だった子供が、ハムスターに指を噛まれて、急にアナフィラキシー症状を起こしたっていうんだね。
だから正確に言えば、「アナフィラキシーにかかっている」ではなくて「アナフィラキシーだということが判明した」と言うべきなのだろう。
……うーん、この場合、ハムスターに罪があるとは言い難いだけに、親御さんも本人も、悲しみや怒りの持って行き先がないのではなかろうか。ハムスターのおかげで、病気であるという事実を知ることができたとも言えるわけだし。
でも、このことで「ハムスターは危険だ」なんて誤った情報が伝わってほしくはないのである。病気が判ったご家庭のハムスターは、その後いったいどうなったのだろう。子供に世話をさせることは不可能になったわけだし、まさか捨てられたり殺されたりしてはいないだろうか。
実際、動物を飼うってことに対して安易な考えしか持ちあわせていない人間ってのは多いと思うのである。
「生き物を大切にする心を養える」とか「ペットは家族の一員だ」とか言ってる人間は、私に言わせれば「発狂」してるとしか思えない。
基本的に「自立して生きることのできない生き物を養う」というのは、その生き物を自分に「隷属させている」ことでしかないのだ。たとえどんなにその対象を愛していたとしてもである。
「人間の子供を養う」ことと、「動物を養う」こととは自ずから違う。人間はいずれその「家庭」を巣立っていくが、ペットは巣立たない。というか巣立たせるためにペットを飼うヤツはいないわな。「ペットが家族だ」という言葉の欺瞞は、ここにハッキリ現れている。
逆にこう発想してみたら解りやすいかな。動物ではなく、人間を「巣立たせずに養い続ける」なんてことをしたら、どう? これは明らかに「人権蹂躙」であり、どんなに愛してたって、「虐待」になるのではないかな?
少女を拉致監禁して飼ってたヒトもいたよねえ。あるいは「あなたは私の可愛いペットよ」なんて言って、美少年をマンションに飼ってる有閑マダムなんてのもいたりするよな(そういう願望持ってる女っていそうだよなあ)。
それも「家族」なのか?
私は別に、「ペットを飼うな」とか、「ペットを愛しちゃいけない」とか言いたいわけじゃないのよ。けだものを飼うのには、それなりのルールと覚悟が必要だろうってことなの。実際、なにが起こるか分らないんだから。
以前、『動物のお医者さん』がヒットした時、シベリアンハスキーの野良犬が増えたって話があったよねえ。今回の騒動も、どうせ『ハム太郎』がヒットしてるからって、安易に子供にハムスター飼ってやった馬鹿親が増えたってことなんだよ、きっと。
また殺伐とした事件。
中国自動車道に、中学一年生の女の子が、手錠をかけられた状態で、頭を強く打って死んでいる(正確には救急車で運ばれた先の病院で死亡)のが発見される。
事故とかではなく、何かの事件であることは(自分から飛び降りたのか落とされたのかは判然としないが)間違いないのだが、女の子に「手錠」をかける状況ってのはいったいなんなのだ。
どうもすぐに「拉致監禁」とか「略取誘拐」とかいうコトバが浮かんできてよくないのだが、報道もその猟奇性に興奮しちゃったせいか、とんでもない誤報(?)をしでかしている。
その「手錠」について、病院の関係者が「玩具ではない」と喋っているのを、そのまんま訂正も入れずに放送していたのだ。
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07月26日(木)
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