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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■目標達成!……って何が/『腐っても「文学」!?』(大月隆寛編)ほか
ロリコンと言うと、一般的には「少女しか愛せぬ変態」と単純に理解されてるんじゃないだろうか。でも、原典によれば、主人公のハンバート・ハンバート、確かにロリータに偏執狂的な愛情を抱くけれど、オトナの女性と愛し合えないわけではないのですね。なにしろ、ロリータと親しくなるためにまずはその母親と関係持つんですから(将を得んと欲すれば先ず馬を射よ……違うか)。ロリータの年齢も本作では12歳から14歳。7、8歳の女の子が変質者の犠牲者になってる現実を考えると、まあ若くはあるけれどもギリギリセーフと言う気がしないでもない。
『不思議の国のアリス』の作者、ルイス・キャロルが実在のアリス・リデルにプロポーズしたのは13歳の時だが、出会ったのは5歳の時。これなんか13歳になるまでガマンしたんだからもういいだろう、っていう、キャロルの世間の常識を一顧だにしない姿勢が垣間見えていて、ここまで来れば充分「真性の変態」と呼んでも構わないと思う。
よく読めば、『ロリータ』より『アリス』の方が深層意識にからんでる分、よっぽど変態的なのだけれど、あまりそのことに気づかず「心温まるファンタジー」だと思って『アリス』読んでるマヌケは多いわな。
穴の中の奇妙な世界。奥へ行くほどに現れる奇妙な人々。これ、キャロルのアリスを蹂躙したいリビドーの象徴なんですよねえ。何しろ彼らはみんなイカレていてウソツキでデタラメで、少女を混乱させるためだけに存在するんですから。
その中心にいるのはあの笑いだけの「チェシャ猫」。
『千と千尋の神隠し』も、「アリスの末裔」と考えると、もうその世界観、スケベネタのてんこ盛りですよ。だから10歳の千尋を助けるハクの正体は、宮崎監督の……、いやいや、ちょっとヤバ過ぎてこりゃとても言えねえや(^.^;)。
10歳だとダメ、14歳ならいいと言うわけではないのだけれど、それぞれの事情は結構複雑なのです。
だいたい世間の人は「ロリコン」と言うと、何歳くらいの女の子を相手にすることを想定してるんだろうか。結婚が許可されてる16歳以下か? でも私がしげと結婚した時、しげは18歳だったけどやっぱりロリコンと言われたぞ。くそ。
俳優、円谷浩氏死去。
まだ37歳で肝不全。って、私もこれで死んでもおかしくないんだけど。
新聞記事には「時代劇やウルトラシリーズで活躍した」としか出演作が書いてない。
……円谷浩がマイナーと言うより、『宇宙刑事シャイダー』自体が、大新聞サマから見ると、誇れる番組とは思われていないのだな。それどころか新聞によっては訃報すら載ってない。そんなに特撮系の俳優は差別されねばならないのか。
確かに華のある俳優さんとは言いがたかったけれど(でも、小林亜星の息子よりゃマシだと思うぞ)、少なくともテレビシリーズの主役張ったことくらい書いておくのが礼儀じゃないのか。
遺作は平成11年の『作家・小日向鋭介の推理日記』だとか。とすると昨年一年はずっと闘病生活だったのかなあ。そういうことも情報として伝わってはこないのである。
なんだか淋しい。
それにしても円谷家はどうしてこうも早死にする人が多いのだろう。円谷英二の子孫たち、まだまだ全員生きてたっておかしかないのに、長男・一、次男・皐(のぼる)氏も今はないのだ。
……ダメだ。あとの言葉が続かん。
合掌。
大月隆寛監修『別冊宝島Real017 腐っても「文学」!?』。
前作『いまどきの「ブンガク」』で、「かつて無条件にエライものであった大文字の『文学』などはもう存在しない。あるのは麻薬のような広告資本にドーピングされた情報環境にかろうじて浮かぶ『ブンガク』だけであり、そしてそれさえも、いまどきの世間一般からすればほとんど問題にされていないようなものだったりする」と書いたのは監修者の大月隆寛だが、その主張に首肯はするものの、こういった「レッテル貼り」に大月氏の文学コンプレックスが見て取れるのがどうもねえ。
私が大学のブンガクブに通っていた頃も、現代作家で評論に値するのは村上春樹くらいのものだとは言われてたんだが、それだって所詮は「文壇」なんて形骸化した砂の城を守るための囲い込みだなあ、と思っていたのである。
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07月24日(火)
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