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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■天ブラサンライズ/『吼えろペン』1巻(島本和彦)/DVD『サウスパーク無修正映画版』ほか
 初め、入院している間もDVDが見られたらなあ、と、携帯用のDVDプレイヤーを買おうかと思っていたのだ。でも、退院したらもう使い道がないことに気づいて、代わりに思いきって、DVD‐RAMを買うことにする。
 これでパソコンでDVDが見られるようになったなあ。
 ……この日記も、今ちょうどDVDをかけながら書いているのである。これまではDVDをかけていると、テレビの方に顔を曲げねばならなかったので、日記を書くのにも時間がかかっていたのだが、画面の横に目をやるだけですむので大いに時間短縮になる。
 そこまでして映画を見なけりゃならんかと言われそうではあるが。

 つい散財をしたおかげで、福家書店を回った時には、ちょっとサイフに余裕がなくなってしまっていた。
 今日こそは前々から買おうと決めていた『ダイナミックBOX』、買うにはン千円ほど足りない。とりあえずしげに一万円借りようとするが、永井豪嫌いのしげはなかなか首をタテに振らない。
 「『藤子BOX』なら買うけど、どうして私が永井豪を?」
 いや、ちゃんと一万円は返すから、と言っても、なかなか納得してくれない。拝み倒してようやく一万円を借りたが、こんなことならもう少し銀行からオカネを卸しておくんだった。


 しげが「入院してる時、着替えはどうするの? 私がいちいち洗濯物取りに行かないといけないの? 父ちゃんは入院してた時、どうしてたの?」とうるさく聞くので、買い物の帰りに姉の店に寄る。
 でも時間が7時を回っていたので、片付けに姉は残っていたが、父はさっさと家に帰っていたのであった。
 仕方がないなあと帰宅すると、待ち構えていたように父から電話。
 「店に訪ねてきたごたるね。何の用があったとや?」
 「入院の時、洗濯物どうしたとかいなと思って」
 「それがくさ、病院の洗濯機があんまり汚かかったけん、外出許可もらってウチに帰って洗濯しとったったい」
 「そげんね。何日に1回?」
 「1週間に1回」
 ……親父、そっちの方が汚くないか?
 「あと、洗面用具って洗面器も要るとね?」
 「ああ、要る要る。全部持っていっとった方がよかやろうね。持っとうとや?」
 ……洗面器のない家庭なんてないと思うぞ、親父。


 マンガ、あだち充『いつも美空』5巻(完結)。
 明らかな打ち切りだけど、なんとかオチはついた。……って、今までのスジは全部映画でしたってのは陳腐だなあ。いくら打ち切られたとは言え、もう少しなんとかならなかったのか。
 でもダラダラ続いて焦点のボケた作品になるよりは、5巻で終わりってのはいいまとまり方のようにも思う。
 かといってアニメ化はまずない。


 マンガ、園村昌弘・中村真理子『クロサワ』。
 映画監督、黒澤明の伝記マンガ、という体裁を取っているが、内容的には『トラ・トラ・トラ』降板事件の真相に迫ろうというもの。
 全体的に、「よく取材している」とは言える。しかし、『スピリッツ』連載中は、「黒澤明の捉え方が一面的に過ぎる」と非難轟々だったらしい。
 しかし、冒頭、「黒澤明の米アカデミー特別名誉賞受賞」「『生きる』ベルリン映画祭銀熊賞受賞」の二つが誤報であることを指摘したことは重要な事実ではないだろうか。
 確かにマンガ家の技量の未熟さは見てすぐわかる。そのために、黒澤明のキャラクターが、マンガのキャラクターとして全く魅力的に見えないのは致命的だ。しかし、解説を担当した黒澤プロダクションの田畑稔氏が、「このマンガの黒澤明は虚像だ」と言い切ってしまうのは「表現すること」自体を否定することにつながりかねない。
 「真実なんて、描けるはずはない」ということを解説で述べてどうするのだ。そんなことは解っていることでわざわざ言わねばならないことではない。書かれているものが自分の知る黒澤明と違っているなら、「あの人は本当はこうだった」と具体例を書くしか方法はないのだ。どちらが正しいか、というより正しいと思いたいかは読者が勝手に決めることなのである。その対象となるのが実在の人物であったとしても。


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07月19日(木)
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