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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■原稿アップ(´。`;)/『マンガ世界戦略』(夏目房之介)ほか
 客観的かつ冷静にマンガを見ていく眼というものがまだまだ日本では育っていないのだな。テーマ主義に偏っていたこれまでのマンガ批評を、絵とコマのダイナミズムから説明していった夏目さんの功績は偉大なんだけど、後に誰も続いていないのがどうもね。
 未だに俗に「一流」って言われてる大手の文芸誌なんかでは、手塚治虫や宮崎駿を「ヒューマニズム」の一言で語ってしまうような単純かつ短絡的な批評が幅を利かせてるし。
 本書でも、夏目さんは日本のマンガ・アニメが世界に受け入れられていく過程の中で、どのような齟齬を生んでいったかを実に細かく分析していく。簡単に言って日本人はこれまで、「世界の中での田舎もの」って劣等コンプレックスが強すぎたのだね。ちょっと日本のマンガ・アニメがウケるとすぐ有頂天になり、作品の輸出に関して、テキトーな契約結んじゃって、地団太踏む羽目になる。
 なにがビックリしたって、『攻殻機動隊』があれだけ世界でウケたってのに、監督の押井守に1銭も金が入ってないってんだから(もちろんアチラの会社が全部ぶん取って知らんふり決めこんでるのである)。
 夏目さんのマンガ国際化戦略は実に具体的だ。産業としてのマンガ出版を活性化させるための構造改革と海外進出。これ、出版社だけでなく自治体自体も真剣に取り組んでいっていい課題じゃないだろうか。

 ああ、それと以前オタアミで紹介されてた韓国性のアニメ、『三本足の男』や『チ○ポ橋』(タイトル分らないからテキトー。見てない人にはない様は「ご想像に任せる」と言っておこう。)の作者の名前がこの本でやっとわかった。
 梁栄淳(ヤン・ヨンスン)と言うのだ。作品名は『NUDL NUDE』。韓国では超人気のマンガ家さんだそうな。宣伝のし方によっては充分売れると思うんだが、マーケティングリサーチのヘタな日本人にこの本やアニメを売るチカラはなかなかないだろうなあ。
 日本で出版されれば少なくとも私とよしひと嬢は確実に買うであろう(^^)。


 キネ旬ムック『マンガ夜話』vol.11「山口貴由『覚悟のススメ』/藤田和日郎『うしおととら』」読む。
 と言っても『覚悟』のほうはマンガ読んだことないので斜め読み。
 少年サンデーのWEBサイトで『うしとら』の作者がマンガ夜話見て怒ってるって話を小耳に挟んでたので、さて、そんなに貶されてるのかと思って放送を見逃してたので読んでみたのだ。
 ……あれを「貶し」と取るんだったら藤田和日郎、あんたはマンガがなにもわかってないや。と言うより、知性低すぎ。
 たとえばいしかわじゅんの「どっかでもう絵に関しては諦めてる」という批評。藤田氏本人は「オレは諦めてないぞ! 日々努力してるんだ!」と文句言いたいんだろうけど、いしかわじゅんの言ってることは「マンガの様式化を脱却しようとはしていない」という意味であって、別に欠点として指摘しているわけではないのだ。逆に「いろんな様式を取り入れて自分の表現を豊にしている」と誉めてるのに。
 いしかわじゅんも言葉足らずだったとは言えようが、発表されたものに対して、誉められようが貶されようがそれは受け入れるしかないことなのだ。
 こういう作者のケツの穴の狭さは作品に反映する。
 『からくりサーカス』がつまんない理由ももしかしたらこの辺にも理由があるのかな。

 資料的に充実してるようだけれど、「唐沢俊一さんの『カスミ伝S』」は早いとこ訂正しとこうね。まあトシアキと間違えなかっただけマシかもしれんが。


 マンガ、和田慎二『少女鮫』10巻(完結)。
 いやあ、ここまで打ちきりとはっきり分る結末もかえって清々しくていいなあ。いや、和田さん、本気で怒ってるだろうけど。
 何しろ登場人物すべて殺して終わりって、おまえは火浦巧か。
 でも出版社移ったことでもあるし、最後の2巻はなかったことにして、リメイクしてもいいんじゃないかな。主役の女の子、「ウィルスによる突然変異で超能力に目覚めた」なんてニュータイプな設定は捨ててさ、「傭兵経験のある少女」ってことだけで押してきゃ、充分ウケると思うんだがなあ。


 DVD『刑事コロンボ 完全版』vol.1『殺人処方箋/死者の身代金』見る。

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06月30日(土)
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