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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■できれば私への電話はご遠慮下さい/『真夜中猫王子』2巻(桑田乃梨子)ほか
私も含めて、日本人が政治に無関心になってしまった原因は、結局それが「出来レース」だってことが、マスコミ報道から見えていた事実によるところが大きい。
「首相は今晩退陣する予定」なんて、なんで事前に判るんだよ、とツッコミ入れたくなるような報道ばっかりだったしな。それが森政権の末期から徐々に変わってきた。「マスコミに予測できない政治」が、戦後始めて誕生したと言ってもいいのではないか。ニュースを見ていても、記者が、「いったいどこに取材に行けばいいか分らない」と右往左往している様子が見えて笑えること。
マスコミ関係者って、政治家以上にエリートぶった鼻もちならない連中が多かったから、溜飲が下がる下がる。
しかも、小泉首相の今回の判断は、ご本人が意識してるかどうかは知らないが、ハンセン氏病患者に対する差別意識を封じる意識捜査を大衆に施したという意味で、画期的なものなのである。
明治の「解放令」以来ね、「差別はしちゃなんねーよ」って法律は何度も出されてるけどさ、「心理的に」大衆に浸透させることはとっても困難だったわけね。人間はどうしたって誰かを差別したがるものだから。昨日まで差別してたのに、今日から差別しません、なんて簡単に変われやしないのよ。
けど、今回、この控訴断念でハンセン氏病患者たちは「小泉首相」という強力な後ろ盾を手に入れたことになった。なのに今後「ハンセン氏病って、移るんでしょ?」なんて態度をとってたら、これは即「小泉首相」を敵に回すことになる。というか、これからは自分のほうが無知な差別主義者ってことで周囲から差別されることになるのだ。自分が差別されるのはみんなイヤだから、こりゃ、偏見は一気に減るぞ。
こんなマインドコントロールを大衆にしかけた点で、小泉首相の業績は歴史的快挙であった、と言っていいのではないか。
ではあるけれども、今や古本屋でも手に入らなくなったハンセン氏病患者への差別表現満載の栗本薫『グイン・サーガ』第一巻、未だに売っぱらわずに取ってあるのである。
まあ、歴史の証拠の一つとしてご勘弁下さい。
トイレに入っていたら、突然の電話。
当然出られないので、しげが受け取ったのだが、あろうことか、○○真っ最中の私に受話器を受け取れという。
「誰から?」
「福岡シンフォニックのUさん」
「ああ、ビデオカメラの件か。用件聞いといて」
「……出て」
「出られないよ。用件聞いといてってば」
「出て!」
しげ、突然、トイレのドアをガタガタ揺さぶり、かかっていた鍵をムリヤリこじあけ、私に電話の子機をつきつけた。
唖然とした。
しげの眼は完全にイッている。
「出られないって言ってるだろ!」
そう言ってドアを閉めたが、さて、しげはいったいどうしてしまったのか。
何度かこの日記にも書いていることだが、しげは、もともと極度の対人恐怖症で、私と出会ったころはほとんど口を開かないほどであった。
いったん心を開けば喋れるようになるんだけど、知らない人相手だと、まだ全然対処のしかたがわからぬのである。
Uさんはしげとも面識があり、別に知らない人ではないのだが、私に用事があって取り次いでもらおうとした時点で、しげにとっては「他人」になってしまうのだ。このあたり、ちょっと理解しにくいかもしれないが、そうなんだと納得してもらう以外にない。
「私の代わりに」用件を聞くことは、しげにとってはパニックを起こすほどに精神的ストレスを与えることになってしまったのだ。この程度のことでパニくられても困るんだが、今んとこしげ自身、セルフコントロールが出来ないので、それを前提に対処法を考えるしかない。
申し訳ないが、しげ本人に用事がある人は別に問題はないのだが、私に用事のある人は、できるだけメールか日記の掲示板か携帯のほうに連絡はお願いしたい。
どうしても電話でないと、という場合、しげが出たらすぐに私に電話を回さず、軽くしげと世間話をして下さい。そのあと、私が電話に出られる状態かどうかを聞いてみて頂けるとベストです。
間違ってもいきなり「幸次郎さんいますか?」なんて聞いたりしないように。
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05月23日(水)
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