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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■大江山枕酒呑草子/『カエル屋敷のベンジャミン』(玖保キリコ)ほか
そのとき彼女は僧形だったので、初めは兄ともども殺されかかったそうだ。しかし、とっさに彼女は前をはだけて「私は女よ」と主張し、あわやというところで助かったとか。
さて、道長はいったいどういう意図でこれを書き残したのだろう。
清少納言はこのとき既に五十歳、昔日の才女の面影はとうにない。
もともと、彼女の後ろ盾であった藤原道隆は、道長の兄であり、関白の地位を争ったライバルである。道隆が死に、権勢は道長に移り、必然的に清原家は没落して行くわけだが、老いた彼女へ追い討ちをかけるような文章ではないのか。
とても清少納言の機転を称えたものとは思えないのである。むしろ、老婆がしなびたチチをほっくりだして命乞いをする姿、それを嘲笑う意図が道長にあったのではないか。
ヤなやつである。
『大鏡』なんかじゃ、野心的な偉丈夫として理想化されてる道長だが、
「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることの なしと思へば」
なんて堂々と読んじゃう輩がいいやつのはずはないよなあ。
それにしても、清少納言と頼光四天王との間に面識があったとは意外であった。平安王朝女流文学と、鬼退治の頼光四天王とじゃ、イメージがどうも結びつかないんだよね。
でも考えてみたら、藤原保昌の妻はあの和泉式部であるわけだし、となれば、清少納言、紫式部と同時代人なのは当たり前なのである。
金太郎(知ってる人も多いだろうけど、四天王の一人、坂田公時のことね)も『枕草子』や『源氏物語』を読んでたのかなあ。
彼女たちが『大江山酒呑童子』について書き残してくれなかったのがなんとも残念である。
『キネマ旬報』4月下旬号、マギー・チャンの表紙が色っぽい。
……でもこのひと、昔はたしか「マギー・チョン」って表記してたと思うのに、いつから「チャン」になったのか。まさか差別なんたらが原因じゃあるまいな。
しかも彼女のフィルモグラフィーを見てもジャッキー・チェンの映画に出てたことなんてまるで書いてない。文芸映画づいた途端、過去のコメディーやアクションものに出演してたことを隠したがる日本のアイドル(安田成美とか有森也美とか)は多いけど、中国人も似たようなものなのかねえ?
新作映画で面白そうなもの、まずは山本周五郎原作、和田夏十脚本(遺作?)、市川崑監督『かあちゃん』。前回の『どら平太』は浅野ゆう子と菅原文太という二大超大根役者のために惨憺たる出来になっちゃったが、今度は岸恵子だし、ワキも小沢昭一、中村梅雀、江戸家猫八と芸達者が多いから、多少新人を使ってるとはいえ、見られるものになるのではないか。うじきつよしとコロッケがちょっと怖いけど(^_^;)。
『RED SHADOW 赤影』、白影は竹中直人で、影一族の頭領だそうである。……影烈風斎はどうしたんだよう(・・;)。
原作の名前を借りるだけで話は全く別物、というのは仕方ないとしても、キャストを見ると随分「小粒」である。敵の頭領が誰なのか、記事が不充分でよく分らない。『キネ旬』はこちらが知りたい情報をまるで掴めてないのが昔からのネックなんだよなあ。
ささやななえこのマンガの映画化、『いきすだま 生霊』、三輪ひとみ、三輪明日美の姉妹が共演するらしい。『ラブ&ポップ』以来かな? この二人、若手の女性の中ではマジメに役者やろうって感じが見えるので、どんな「恐怖」の表情を見せてくれるのか、期待してしまうのだ。
テレビを漫然と見ながら、日記を書いたり本を読んだり。
新番組『めっけMON!』、センスのカケラもないタイトルにまず嫌気。
松坂牛のフルコースカレーつきだの、職人の手作り柳刃包丁などの値段をゲストに当てさせるってゲーム番組だけど、似たような番組がたしか外国のバラエティーにあったよなあ。……喉元までタイトルが出かかってるのに思い出せんけど。
それはそれとして、職人を扱ってる番組だってのに、その「芸」を値段に換算しようって下品さにむかっ腹が立って来る。岡江久美子や森公美子が値段を聞くたびに大げさに驚くのが、ヤラセなんだろうけどあまりに不快。
こんなんなら裏の『伊東家の食卓』を見てりゃよかった。……どっちもどっちか?
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04月10日(火)
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