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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■桜の森の満開の下/『イギリス人はおかしい』(高尾慶子)ほか
 でも「ブルース・モービル」は写真で見る限り、鉄製の拡声器もついた立派なものだったぞ。ああ、これだけでも見に行きたいよなあ。
 スヌーピーがブルースブラザースのコスプレしたポスターが展示されていたようだが、売ってるものならこれはぜひ欲しいな。よく見ると「THE BEAGLE BROTHERS」と書いてあって、これはウマイ! でも、エルウッドがスヌーピーってのはわかる気がするが、ジェイクをオラフにさせるのはちょっとどうだかねえ。兄弟逆じゃん。言わずもがなだけど、オラフはスヌーピーの弟の一人の太っちょで、スヌーピーの兄はスパイクなのである。体型で選ぶとどうしてもそうなっちゃうんだろうなあ。……じゃあ、ウッドストックは誰だ? キャブ・キャロウェイか? 

 高尾慶子『イギリス人はおかしい 日本人ハウスキーパーが見た階級社会の素顔』読む。
 以前、マークス寿子というイギリスかぶれの女性(イギリスの貴族と結婚し、離婚したのに未だにマークスなんて名乗ってんだよねえ)の書いた『大人の国イギリス子供の国ニッポン』という本を読んで頭に来たことがあった。
 なにしろ、「イギリス人には泥棒が多いが、それは盗まれる日本人のほうが油断をしているから悪いのである」ってなことを堂々と書いているのだ。そりゃ油断するなって心構えは必要だろうけど、それでイギリス人の泥棒行為を正当化しようってのは頭がおかしいとしか思えない。
 高尾さんの本もそんなアホなこと書いてるのかと思ってたら、さにあらず、イギリス人のよい点悪い点、日本人のよい点悪い点、それを客観的に捉えようとしている。福祉や動物愛護の点ではイギリスは優れているが、教育・モラルの点では最低である、と高尾さんの筆致は容赦がない。
 雇い主である映画監督、リドリー・スコットについても、潔癖症で小心者、そのくせ貴族意識だけはあるというイヤな面をはっきり書いている。
 なのに、イギリス人やスコット氏についての悪印象が高尾さんの文章からはほとんど感じられないのだ。それは、高尾さんがそういった彼らの欠点を知りつつも、やはり彼らを愛していることが伝わってくるからに他ならない。
 ……それでもちょっとだけ文句を言わせてもらえれば、イギリスの若者が堕落したのは「ビートルズ」のせいではないと思うぞ。

 マンガ、高橋留美子『うる星やつら・酔っ払いブギ』読む。
 この辺の原作、ちょうどアニメが始まったころのだなあ。でもはっきり言って『うる星』全体の中では凡作が続いていた時期だ。アニメも最初の1・2話はなかなかの出来だったが、それ以降はろくにスタッフが集まらなかったらしく、作画も脚本もガタガタの駄作が続く。
 それでもファンが離れていかなかったのは、唐沢俊一さんも『ブンカザツロン』の中で語っていたが、高橋留美子が、初めて自分たちと同じ魂の持ち主が、マンガの受け手としてではなく、作り手として現れた「仲間」であったからだ。
 「るーみっくわーるど」というキャッチコピーにもその意識は表れている。高橋作品だけでなく、作者自身が当時の我々のアイドルであったのだ。『うる星』だけではない、『めぞん一刻』の初期の頃、「響子さんの正体は?」「惣一郎さんって誰?」と胸をドキドキさせて、隔週刊の『スピリッツ』が発売される日をどんなに待ち遠しく思っていたことか。
 だから、『らんま1/2』の病気休載以降、高橋さんが何か違う方向に行ってしまった、と感じたとき、私立ちの世代は、スウッ、と冷めたのである。ちょうど『エヴァ』完結編でみんなが何も語らなくなってしまったように(^^)。
 多分それは、高橋さんは我々の代表としてマンガを描いているのだ、つまり、あのマンガは我々が送り出しているのだ、と我々は勝手にシンクロしていたのだけれど、実は高橋さんはあくまで高橋さん個人であったのだ、という当たり前の事実に気づかされてしまったからである。
 ……それくらいショックだったのだよ、「らんまのヌード」は。
 高橋留美子と小山田いくにだけはヌードを描いてほしくない、なんてアホなことを考えていたのだよなあ、あのころは。「○○ちゃんだけは絶対脱がないで!」なんて喚いてるアイドルオタクと同レベルではないか。

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04月02日(月)
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