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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■だから初心者なんだってば/『わが師はサタン』(天藤真)
てとこで、続きはまた明日。パソコン奮戦記と桜雅嬢のネタも追加の予定(こう書いとかんと忘れる)。
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昭和50年代、赤川次郎、栗本薫がデビューして以来、学園ミステリーやユーモアミステリーの書き手は吐いて捨てるほどに登場したが、それ以前は実にお寒い状況であった。松本清張の社会派ミステリが一世を風靡していたがために、ミステリ界はその亜流が目白押し、ミステリに「ユーモア」を絡めること自体、まるで罪悪のように思われていたのじゃないか、と言いたくなるほどであった。
何しろ乱歩の少年小説からワンランク上のミステリを読もうと思ったら、いきなり高木彬光の『人蟻』に行かねばならぬのである。……小学生にいきなり株の世界が分ってたまるか(^_^;)。
そんな中、唯一小中学生にも読めるミステリを書いてくれていたのが今は亡き小峰元と天藤真のお二人である。特に天藤氏は、多分にアクロバティックな設定で、近年の十把ひとからげ的なユーモアミステリとは一線を画したハイレベルなミステリを発表し続けていた。岡本喜八監督、北林谷栄・緒形拳主演による映画、『大誘拐』をご覧になった方も多かろう。あの誘拐されたおばあちゃんが誘拐犯のリーダーになってしまうという逆転劇、アレが天藤作品の真骨頂なのである。
『わが師はサタン』で使われていたメイントリックに驚いたのは、それと全く同じトリックが泡坂妻夫の『11枚のトランプ』にも使用されている点であった。更に口幅ったいことではあるが、私もその昔『函』という戯曲を書いたときにその変形・応用を試みた(^_^;)。……言っちゃあなんだが、誰でも思いつくトリックなのである。
従って、そのトリックを隠蔽するためには語り口に細心の配慮が必要となる。もし本作が変名で書かれることなく、初めから天藤作品として書かれていたなら、軽妙でユーモラスな筆致でうまく真相をうまく誤魔化すことが出来ていたかもしれない。
しかし徹頭徹尾シリアスとして書かれた本作はあまりに無防備であった。恐らく、特にミステリファンでない人でも、ある人物が登場した途端、全てのトリックを見抜いてしまうであろう。それが本作を読み通すにあたって興味を半減させることになることは火を見るより明らかである。
しかしながら、そういう欠点はあるものの、某大学の講師でもあった天藤氏が、ある意味バックステージものとも言える学園内の殺人事件を書いたということは実に面白い。天藤氏自身を彷彿とさせる人物も現れ、これはやはり「鷹見緋紗子」作品としてより、「天藤真」作品として読んだほうが、その真価を堪能出来る作りになっているのである。
創元文庫の天藤真シリーズ、間を置きながら果たして完結するのかどうか危うい状況で刊行され続けているが、そんな作家知らなかったという方にはぜひオススメである。少なくとも昨今の新本格作家の10倍は面白いよ。
仕事に間が出来たので早引け。
ホームページのための原稿をひたすら書きまくる。しかし単純に少なく見積もっても、今考えているコンテンツをアップするためには、最低でも50枚以上の原稿を仕上げねばならぬのである。
一週間やそこらで出来るのか?
とりあえずいくつか書き上げた原稿をホームページにリンクさせるように、女房に教わりながら作業に取り掛かったはいいのだが……。
「タグはつけたの?」
「タグってなんだ?」
「こないだ教えたばっかりだろ!」
「もの覚え悪いんだよ!」
「ホラ、そこ、。」
「……なんだそりゃ」
「だよ! ほら、入門書に載ってる!」
「(えい・えっち・あーる・いー・えふ)って言ってくれよ! わかんねーよう!」
……教える方の日本語が不自由だと苦労するよな。
夜、福岡シンフォニック合唱団のUさんから電話。実は職探しをされていたのだが、どうやらめどがついたとのこと。よかったよかった。
突然、メンバーの桜雅嬢のことについて「最近どんな様子ですか?」と聞かれる。
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02月14日(水)
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