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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■お姫様を探せ!/アニメ『タッチ・CROSS ROAD 風のゆくえ』ほか
 ついでに『筑前国風土記』を見てみる。福岡の「糸島」の地名、神功皇后が三韓征伐の時にこの地の人々のことを「いそし(よく働いて仕えている)」と呼んだのが「イソ」の地名となり、更になまって「イト」となった、と説明してある。
 でも変だなあ、『魏志倭人伝』には既に「怡土国」という地名が出てきてるんだがなあ。
 これ、「『博多』は『羽のかたち』をしているから『羽形』」というのと同じようなもので、あとから来歴をでっち上げた可能性が高いな。神功皇后ゆかりの地ということでハクも着くし。
 第一、三韓征伐はおろか、神功皇后の実在自体眉唾なのである。日本の天皇でほぼ実在が確実視されているのは、「倭の五王」、おそらくは神功皇后よりも6代ほどあと、雄略天皇のころにまで下らないといけない。あまり「万世一系」と威張らないほうがよいのである。

 昨日から映画に行きたい、たけしの『BROTHER』見たいと言ってたくせに、帰宅してみるとやっぱり女房はグーグー寝ている。
 「映画行かんのか〜?」
 「(布団の中から)うん」
 「『浜かつ』行かんのか〜?」
 「うん」
 ……こいつ、さては一人で昼、「浜かつ」でメシ食ってきてやがるな。ともかく寝惚けたやつの相手をしても仕方がないので、近所の商店で醤油ラーメンを買って来て、作って食べる。具は納豆フリカケのみ。質素な食事だがまあこれが普通だ。トンカツなんて贅沢モノ、しょっちゅう食うもんじゃないよ。

 CSで手塚治虫特集、『ユニコ』を放送。ああ、この映画にはいろいろ昔の切ない思い出があるなあ。まあ、それは置いといて(^o^)。
 手塚アニメに杉野昭夫キャラはやはり合わんよなあ、と苦笑しつつ見る。だって敵の男爵ってどう見ても宗方コーチ。……だから矢吹ジョーといいコブラといいブラック・ジャックといい、なんでみんな伏目になって、「フッ」と笑うんだよう。背筋にサブイボが走るぜ。アニメで宝塚を見たいわけじゃねーぞ……と悪態をつきかけてふと気づいた。手塚さん、宝塚市の出身で、宝塚の大ファンだったんじゃん。……意外と合ってるのかもなあ。
 映画としては第2作の『魔法の島へ』の方が上だと思うが、この第一作も決して悪くはない。ただ、2作目に比べるとどうしても細かいアラが目立つのである。脚本の辻真先、悪魔くんを再登場させたはいいが、さして活躍もさせないあたり、詰めが甘い。イルカの歌とナレーションは正直に言って邪魔。映画の世界に溶けこんでないし、基本的に歌が下手だと言うことを歌手本人が自覚してないのが辛い。単体で聴くとその下手さが却って味わいになっていいんだけどなあ。映画音楽にはならないんだよなあ。

 続けてこちらは新作、金曜特別ロードショーTVスペシャル『タッチ・クロスロード 風のゆくえ』見る。
 終わった作品の続編を無理矢理作るのはどんなものか、という考えは製作者のアタマの中にはカケラもないらしい。で、脚本が金春智子だもんなあ。何を期待せよというのか。
 文句言うなら見るなよと言われそうだが、見ないと批判もできんしな。初めからどうせ、という気持ちで見たら却って面白いかとも思ったんだが、甘かった(^_^;)。
 だいたいあだち充のマンガは熱血になりそうなところでサラリと外すところがよかったのである。『タッチ・背番号のないエース』(映画版第一作)で達也は和也の代わりにマウンドに立つべきではなかったのだが、映画としての完結性を求めるあまり、原作とは違う展開にしてしまった。既にあだち充の世界はそこで壊れてしまっていたのだ。
 今回の新作も既に『タッチ』ではない。達也がアメリカでマイナーリーグの選手になっていたり、南が新体操をやめてカメラマンのアシスタントになっていたり、という変化は別に構わない。問題なのは達也も南も最初から最後まで「頑張り」通しで、気が抜けるところが1ヶ所もないということだ。何でこうも余裕のないドラマを見せられにゃならんのか。脚本家自身が余裕のない生活してんじゃねえかと疑いたくなってくる。

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02月09日(金)
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