ID:104863
G*R
by K・カヲル
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■神は自粛をするか (6-10)
月の見えない日  剣八とやちる 051024
子供の頃よく歌った唄  勇音と荻堂 051025
蝉を食らう蟻  やちると弓親 051027
思い出と変わらない場所  恋次 051028
まな板の上  ルキア 051031
信じることで傷つくなら  二番隊 051101
両の目が焼けた  東仙と狛村 051104
そして僕らは日常へ帰る  十番隊 051107
欲望羨望誘惑嫉妬  檜佐木と吉良 051110
神は自粛をするか  ギン 051114 NEW



配布元 キョウダイ



信じることで傷つくなら

「雛森は目覚めたのか」
 執務室に戻ってきた大前田に、砕蜂は振り返りもせずに窓の外を見ながら訊いた。大前田は一言、いえ、と否定の言葉を口にする。砕蜂は頷いた。
「日番谷隊長が時折見舞いに来るそうなんで、花だけ届けてもらうようにしましたよ……誰かいると、日番谷隊長も来づらいでしょうしね」
「そうか。それでいい」
 砕蜂は頷くと、振り返って自分の机に向かう。そして大きな椅子に腰掛けると、体を背もたれに預けた。
 午後の光は柔らかく、間接的に室内を照らす。どこかぼんやりとした輪郭のぼやけた室内は、どことなく眠気を誘う。このような夢を見ているのだろうか、と砕蜂は雛森のことを考えた。
「雛森は……傷はもう心配いらぬのだったな」
 砕蜂の問いかけに、すでに机に向かって作業を始めていた大前田は顔を上げた。
「そうっすよ。ただ目覚めねえだけで」
「精神的なものなのか」
「じゃないっすかね」
 だから香りの良い花を贈っておきましたけどね、と大前田は付け足す。砕蜂は口元を微かに緩めた。花の効果は大きいことを砕蜂は経験で知っている。
「夢くらい、良いものであればよいな」
「まあ、現実がこんなんですからね……起きたらもっと傷つくことになるでしょうしね」
「傷つくことを恐れて、人間不信にならねば良いがな」
 かつての自分を思い、雛森の快活な笑顔を脳裏に浮かべて砕蜂が淡々と言う。大前田は鼻で笑い、平気じゃないすか、と言った。
「ちょいと傷があるくらいじゃねえと、いい女にはなれないんすから」
「ふん」
 砕蜂も軽く笑う。そして知ったような口を、と笑みを浮かべたまま言った。




両の目が焼けた

 空に輝く太陽のように、正義は高い遠いところに、しかし遍く輝いているのだろう。
 その強い光に私の目は焼けてしまったに違いない。
 なぜならば、この眼に映るものはその光しかないのだから。

「東仙」
 天空に輝く太陽から眼を戻し、狛村は穏やかに笑みを含んだ声で尋ねた。
「ならば貴公の眼には、その光に照らされて、進むべき道がはっきりと見えているのだな」
「そうだよ、狛村」
 東仙はその見えない眼を友人に向ける。その口元には微笑が浮かび、紡がれる言葉は柔らかく響く。
「私は、闇も光も判らなかった。最初からそれを持ってはいなかったからね。ただある日、自分の見えているものを理解したんだよ。友を失ったときに」
 目の前に静かに佇む墓碑を眺め、狛村はただ頷く。気配だけでそれを察知する東仙もまた頷いた。草原を駆けてきた風が緑の匂いを巻き上げて二人の間を抜けていく。東仙の髪がなびいて揺れた。
「もう決めている。私は友が歩んでいた道を進むよ」
「その道に並んで儂の道があることを願っている」

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02月11日(月)
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