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G*R
by K・カヲル
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■春・五番隊
副隊長・雛森は歌を口ずさみながら隊舎を歩いていた。手には大量の書類があったが、軽やかな足取りで廊下をゆく。
背後で笑い声がした。
「御機嫌だね、雛森君」
振り返るとそこには優しげな微笑みの藍染が立っている。雛森は零れるように笑った。
「藍染隊長。また気配を消されて。もう、恥ずかしいじゃないですか」
「なぜ。春めいた陽気にぴったりの歌じゃないか」
「音痴なんですよう」
「そんなことないよ」
藍染は微笑みを崩さぬまま、雛森の横に並ぶと書類を手に取った。
「半分持つよ」
「あ、隊長にそんなことさせるわけにはいきません」
「構わないさ。出来る人間が出来ることをするのは当たり前だろう?」
高い位置にある藍染の微笑みを見上げて、雛森は尊敬で胸が熱くなる。この隊長についていこう。どこまでもついていこう。こういうとき、雛森はいつもそう心に誓う。
「それにしても、どうしてそんなに御機嫌なのかな」
藍染は下に顔を向けて、訊いた。雛森は照れくさそうに赤くなって笑う。
「後で、乱菊さんがお菓子を持ってきて下さるんですよ」
「お菓子」
「はい。今、すっごく人気ですぐに売り切れちゃうんです。乱菊さんが、お詫びに持っていくよって、さっき言ってくれて。ほら、なかなか届かなかった重要案件の書類があるじゃないですか」
「……ああ。どこで滞ってるのかと思ったら、犯人は日番谷君か」
「だから、書類が届いたらお茶にしましょうね。隊長」
中庭に面した廊下にさしかかった。そこで柔らかな風が吹き、桜が舞い散る。
空気が桜色に染まった。
「春だね」
「春ですね」
二人は顔を見合わせて、笑った。
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03月05日(月)
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