ID:104863
G*R
by K・カヲル
[120054hit]
■『女性死神協会 会議中04』
ネムは我が意を得たりという顔で頷き、七緒の顔をじっと見つめた。その視線を無視して七緒は大きく溜息をつく。
「更木隊長からしか稼げません! だいたい、霊圧に反応するのでは、売り子をする私達が魚と戦闘しなければならないじゃないですか!」
がっくりと項垂れる七緒を見上げ、やちるがぽつりと、
「七緒ちゃんは何を考えてきたの?」
と問う。七緒は傍らに置いてあったスケッチブックを取り出し、やちるに示した。そこには微妙に歪んだ屋台の絵があり、『たこ焼き』と描かれている。
「皆で休暇を頂いて、花豆蛸(瀞霊廷で人気の希少な小型の蛸・ある海域でしか捕獲できず、高級料亭などで使用される)を獲ってくれば話題性もあっていいかなと思ったんです。なかなか食べられない貴重なものだから、値段を高くしてもいいだろうし、お客さんも集まるかと」
「でも、七緒。あんた、たこ焼き作れるの?」
乱菊の素朴な疑問に、七緒は顔を上げて睨んだ。
「切ったり混ぜたりするくらいは出来ます! ……焼くのは無理かもしれませんけど」
「ただ、あの伝説の蛸でしょう……たくさん獲ることは難しいですよね。蛸を獲ること自体は、私達なら問題ないとは思うのですが」
困ったように眉を寄せて勇音が言う。それに皆が頷いて考え込んだ。
その顔をぐるりと見渡して、やちるが、
「普通のたこ焼きでいいじゃん。それに『当たり』として伝説のタコを入れれば?」
と言った。全員の視線がやちるに集中する。
「それで、当たった人には景品あげるの。運が良ければ美味しい伝説のタコを食べられるし、景品ももらえるとしたら、みんな買ってくれると思うんだよね。どうかなあ」
「確かにそうすれば伝説の蛸は少なくても問題はないな」
感心したように砕蜂が顎を撫でた。その横でネムが無言で頷いている。
七緒は座り込むと、がっしりとやちるの手を両手で握りしめた。
「とても真っ当なご意見ですよ! 会長! 皆様、もう少し詰めなければならない事もありますが、この方針でいかがでしょうか」
七緒の言葉に全員が頷いた。初めてのまともな決議に、七緒は感動してやちるの手を握ったまま黙り込んでいる。
ひょいと乱菊がやちるの顔を覗き込んだ。
「やちる、あんたは何を考えてきたの?」
やちるはにっこりと微笑んだ。
「金平糖のつかみ取り」
「あ、そりゃ無理だわ。言わなくて良かったわね」
乱菊もまた微笑んだ。
※花豆蛸は管理人が勝手に考えたものです
はい、再開後、最初の協会でした。ノリがなかなか思い出せなかったのですが、まあ楽しく書けたので良かったです。お祭にはここ数年、全く行っていないので屋台ってどんなのがあっただろうかとしばし悩みました。地元や、昔通っていた学校の傍の神社では大きなお祭があったので、その遠い記憶を頼りにこうなりましてございます。ええと、乱菊さんが持ち出した写真の内容は内緒です。
02月26日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る