ID:104863
G*R
by K・カヲル
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■『女性死神協会 会議中05』
『清秋の憂い事』


 十一番隊上等武闘場という看板の上には、べたりと貼られた紙には「女性死神協会本会ぎ場」と書かれていた。
「さて、みなさん!」
 女性死神教会会長であるやちるの声が本会ぎ場に響き渡る。
 堂々たるそのやちるの後ろでは、副会長である七緒が控えていた。
「…………」
「…………」
 沈黙が流れ、振り返ったやちると彼女をじっと見つめていた七緒の眼があった。二人とも同時に薄く笑う。そしてやちるは前に向き直り、七緒もまた視線を前へと戻した。そして同時に口を開く。
「会議を始めます!」
「会議をはじめるよ!」
 同時になされた宣言にお互いを見やることもなく、二人は満足げにふふんと笑う。そして七緒はくくっと眼鏡の位置を直し、黒板に書かれた議題を指し示した。
「さて、本日の議題はこちらになっております。季節は食欲の秋に突入し、女性の皆様から体型の悩みが続々と届いております。その多くに、協会理事の面々はなにゆえ体型を維持できるのか、その体型をどうやって作りだしたのか、などの質問も含まれておりました。確かに私から見てもここ数十年の間、皆様の体型は恐怖を覚えるほどに全く変化ありません……あ、会長は少し身長が伸びましたよ大丈夫です。で、そんな皆様が日々実践され、結果を残した方法は他の方々にも成功をもたらすことでしょう。そこで前回の会議で申し上げたように、自らの体験に基づいたダイエット方法を女性死神の皆様に提案したいと思います」


「では、最初の方!」
「はーい、あたしね」
 七緒の声に乱菊がのんびりと手を挙げる。そして不敵に笑うと、勢いよく計画が書かれた紙を全員に示した。紙には乱菊の流麗かつ大胆な字で『肉体改造三日間計画』と書かれている。
「太ったときこそ好機と捉えよ! これぞ究極の体作り! ナイスバディになる絶好のチャンス到来! ……三日くらいで急激に体重を落とせば胸にだけ肉が残るから、一気に肉体改造できるわよ。なんで、とりあえず食うな、飲むなってことで。三日間だけと思えば我慢できる!」
 七緒は計画書と乱菊の体を見比べた。
「え、乱菊さんもそうしてその豊満な肉体が」
 問われて、乱菊は自分の胸を見下ろす。そして顔を上げるとへらりと笑った。
「ううん、あたしのは勝手に育った」
「最初の話を聞いていましたか! 実体験ではないことを言ってはいけません!」


「では、次の方」
「あ、はい、私です」
 七緒の声に勇音がおずおずと手を挙げる。そして周囲を見渡し、そっと計画が書かれた紙を全員に示した。紙には勇音の丁寧な読みやすい字で『健康第一』と書かれている。
「私自身は特にダイエットを意識してはおりませんが、健康には気遣っています。四番隊副隊長ともあろうものが体をこわすわけにもいきませんからね。そうして結果として、体型を保つことになっています。だいたい、ダイエットは健康のために行うということをきちんと自覚してほしいですね。自分の体の状態を正確に把握するために、まずは年に数回行われている各種検診にきちんと参加して下さい。四番隊からお配りしている冊子に目を通してください。まずはそこからですそこから。健康かどうかを調べないで何がダイエットですか」
 口調は穏やかながら、勇音の声はだんだんと本気の響きを帯びていく。紙を持つ手には力がこもり、紙に皺が寄るほどに握りしめている。七緒はおそるおそる勇音を見上げた。
「あの……い、勇音さん?」
「はい?」
 勇音は曇りのない笑みで答える。七緒は一呼吸置いて、尋ねる。
「そんなに検診の集まりが悪いんでしょうか」
 七緒の問いに勇音は急にへにょりと眉を歪めた。
「……すっごく悪いんです。検診がどれだけ大事なのかって説明しても面倒だって」
「あああ今度からちゃんと隊の方でも言って聞かせますからそんな顔をなさらないで協会の方からもきちんと四番隊で検診をするように言いますから、ね、ね、あああ大丈夫です次こそ全員参加にさせますから大丈夫ですからああネムお茶いれてくれたのねありがとう」


「では、次の方」
「うむ、私だな」

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02月27日(水)
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