ID:104863
G*R
by K・カヲル
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■『女性死神協会 会議中01・後半』
「結果、技術局が作り出した特製整髪料をお使いになっている更木隊長の頭髪からは、軽やかな香りが立ち上っています。それは日替わりで、種類はチョコレート、苺、あんこ、すき焼きなどがございます」
「頭からすき焼きの匂いがして嬉しいのか? 奴は」
「そんな周囲への気配りも完璧な更木隊長は、十一番隊隊員から敬愛されています。とてもすばらしい隊長です。」
 全文を読み切り、ネムは微妙に満足げに見える表情をして七緒を見上げた。その七緒は非常に複雑な顔をしている。
「……会長」
「なあに」
 やちるがきょとんと七緒を見た。
「更木隊長の頭髪からはそのような香りが?」
「うん。剣ちゃんが、お前の好きな匂いは何だって訊いたから、お菓子って答えたんだよ」
「それって、つい最近のことですよね?」
「うん。半月くらい前から、剣ちゃんからいい匂いがするようになった」
 七緒ががっくりと項垂れた。
「……えーと、書き直し」
 ネムが首を傾げた。
「微妙に更木隊長の魅力を半減しているとしか思えませんし、技術局の高い技術力の宣伝になりかねません。もう少し更木隊長を中心にして書いて下さい。そして」
 ここで七緒は大きく溜息をついた。
「できれば整髪料の香りは花の香りにして差し上げて下さい」
「えー、剣ちゃんは気にしてないよ」
「斑目三席が最近とても疲れておいでです」



「十二番隊の担当は会長でしたよね」
 七緒がこめかみを押さえつつ、やちるを見下ろした。やちるは顔を上げて満面の笑みを返す。
「そうだよ。完璧。
 十二番隊、涅マユリ隊長。隊長はいつも変なお面をかぶっているけど、本当は整った顔をしているらしいです。でも隠していたら意味ないよね。耳は取っちゃったらしいです。自分の体を改造したり、溶かしたりするのが得意です。爪を剥がすのが趣味です。でもちゃんと爪切りで切った方が形がいいと思うんだけどな。また、自分の体だけでなく、人の体もいろいろと研究っていうかいじるのが大好きで」
「はいそこまで」
 やちるの口を両手で塞いで、七緒が溜息混じりに制止の言葉を口にした。
「事実でしょう事実だと思います思いたくないけどそうなんでしょう。でも世の中には事実を口にしてはいけない場合もあるんですよ会長」
 手を外されて、やちるは大きく息を吐いた。
「でも、マユリンって他に書くことないよ。ね、ネムちゃん」
「はい」
 ネムが静かに頷く。
「マユリ様が大事にされているのは研究ですから、他にご趣味というとちょっと……」
「私が書きます。どうにかでっちあげて無難に書いておきます無難に」
 七緒はそうまとめて、手にしていたファイルから一枚の紙を取り出した。
「では十二番隊はそういうことで。さて、十三番隊は私が担当しておりました」
「あ、そういえばそうだったわね」
 疲れたというように机に頬杖をついた乱菊が言う。七緒は顔を向けて頷いた。
「では、発表させて頂きます。
 十三番隊、浮竹十四郎隊長。病弱でおられるものの、しっかりと隊を束ねられ、業務をこなしておられる浮竹隊長は普段は雨乾堂におられます。なかなか外出されないためにお姿をお見かけすることはそうないことと思いますが、隊長はいつも優しげな笑みを浮かべ、意外にも快活な物言いをされるお方です。部下からは慕われ、隊長達からは信頼されていることからもそのお人柄が偲ばれようというもの。そんな隊ちょ」
「つまんなーい。七緒それ無難すぎ」
 七緒の朗読を遮って乱菊が声を上げた。
「だって、浮竹隊長って、うちの隊長に等身大の人形贈ってくるようなお人柄よ?」
「そうですよね」
 そこへ勇音も手をあげる。
「つい先日、浮竹隊長がこっそり薬をお飲みになっていなかったとかで卯ノ花隊長に長々とお説教されてましたし」
「確かに」
 砕蜂も鷹揚に頷く。
「雨乾堂に見舞いに行ったところ、日番谷にやるための菓子を嬉しげに準備していて血を吐いて全滅させたのを見たことがある。奴の口と飴玉が血塗れになっていた」
 ネムは頷きつつ口を開けたが、何も言う前に七緒に睨まれて口を閉ざした。
「あのですね、皆様」

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02月16日(土)
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