ID:104863
G*R
by K・カヲル
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■『女性死神協会 会議中04』
「それは大丈夫です。誰にでも内緒にしていることってありますから」
「……は?」
訝しげに首を傾げる七緒に、勇音は爽やかな笑顔で説明する。
「ほら、四番隊って戦闘の補助や健康診断などで全隊に接触することが多いんですよ。清掃活動で人の行かない場所に行ったりもしますしね。そうしていると色々と情報が集まりまして。ふふ。勿論、口外なんてしませんけれど」
七緒の口の端がぴくりと引きつった。
「それは、もしかして……脅して愛用品を強奪する、ということでしょうか」
「そんな物騒なことはしませんよ。お願いするだけです」
あくまで柔らかに微笑んでいる勇音に、七緒はおそるおそる尋ねる。
「あの、参考に、なんですけど、もし私にお願いするとしたら、どうなさるんですか」
その問いに勇音はきょとんとして小首を傾げ、七緒の傍によると耳元に口を寄せて何事か囁いた。その途端、七緒が顔を青くする。
「……ごめんなさい、もう言わないでください」
「一撃必殺!?」
乱菊が驚いた声を上げるが、勇音はにこにことしたままだ。
「ただ、女性死神協会と隊長の皆様との関係を良好に保つためにも、ちょっと……ちょっとそのアイディアは没にさせてください……ああもう、勇音さんには逆らえないかもほんとごめんなさい」
「はい! 次の方!」
「うむ。私だな」
気を取り直した七緒の声に、砕蜂は鷹揚にスケッチブックを取り出した。
「屋台ならばこれであろう。射的だ……一般人にはコルク栓を弾丸とした鉄砲を準備するが、死神が客の場合はせっかくなのだから、鬼道をぶち当てるという遊技方法だ」
スケッチブックには屋台らしきものが描かれている。棚に並んだ人形とおぼしき物体や箱を、鉄砲で狙う人物と鬼道を撃ち出すのか手のひらを向けている人物の絵だ。
「なるほど。通常の射的と差別化を図り、客を呼ぶのですね」
七緒が感心した声で頷く。その言葉に砕蜂は不敵な笑みを浮かべた。
「ふっ。まだまだ甘いな、伊勢。それでは期待するほどには稼げぬだろう。いいか、本番はその先だ。客として訪れた死神の、射的での鬼道成功率を記録してだな、後日、所属する隊に報告してやるのだ。屋台での遊技ではなく、データの売却が真の目的だ。むろん、単純な射的ではデータとしては不十分であるから、そこは私の刑軍の部下に様々な障害を設けさせて難易度を高く設定することが望ましいな」
「後で協会が恨みを買いますよそれじゃ! それと! 刑軍の皆さんに任務外の仕事をさせては駄目です!」
「はい! 次の方!」
「はい」
七緒の声に、ネムがどこからともなくスケッチブックを取り出した。
「過去十数年のデータを参考に、金魚すくいの屋台を提案します」
スケッチブックには、何故か金網と鉄条網で囲われている屋台の絵柄が描かれている。それを眺めて、七緒は眼の淵をひくひくと引きつらせつつ、尋ねる。
「……金魚は人気あるでしょうけど、アイディアはいいんですけど、この物騒な屋台は、何?」
「危険を防止する為ですが」
「金魚すくいにどんな危険が潜んでいるのか、説明してもらわないとわからないんだけど」
七緒の顔を無表情で眺めて、ネムは小首を傾げた。そして気付いたようにスケッチブックのページをめくり、再び全員に指し示す。
「開発局が趣味で開発した、霊圧に反応して凶暴化する金魚を使用します」
「使用できるわけないでしょっ! 客も来ないわよ! つうか趣味で何そんなもん開発してるのよ!」
「……といいますか、金魚に見えないですよね、それ」
ツッコミ疲れが滲む声で七緒が叫び、勇音が呟いた。スケッチブックに描かれている魚は、口にびっしりと鋭い歯が生えており、金魚というよりピラニアという魚にそっくりだ。
しかしネムは首を横に振った。
「大丈夫です。この魚は近づく霊圧が強ければ強いほど、凶暴化し、かつ戦闘能力も高まります。つまり、隊長格がお一人いらっしゃれば、そこに激しい戦闘が起きることは明白です」
そこでやちるが、ああと笑った。
「そっか、剣ちゃんなら喜んで金魚すくいするよ」
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02月26日(火)
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