ID:104863
G*R
by K・カヲル
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■このなかから選べ
「ならば隊長直々に、刑軍仕込みの肩もみでもしてやろうか」
「話題そらしましたね……で、それは肩の骨を外されそうなんで遠慮します」
「刑軍仕込みの夜伽の技もあるぞ」
「土下座もしますからご遠慮させてくだせえお願いします……つうかそれセクハラすから刑軍の任務内容知りたくないすから知ったら消されますから」
 砕蜂が舌を鳴らした。
「冗談も通じぬとは、頭の固い」
「冗談なんて可愛らしいもんじゃねえすよ、今の」
 机の脇で世界の悲哀を背負ったように項垂れる大前田を見て、砕蜂は溜息をついた。
「では何が欲しいのだ。言え。必ず何か言え。今すぐに考えて言え」
 脅迫じゃねえかよと呟きつつも大前田は腕を組んで考え込んだ。砕蜂は手元にある名簿に目を落とし、ときおり、確認の署名をしている。その名簿も終わろうというところで、大前田が、ああ、と呟いた。砕蜂が顔を上げる。
「思いついたか」
「ええ、切実なものがあったっす」
 大前田は両手を机について前に乗り出す。
「俺の誕生日には、隊長は俺を蹴る殴る禁止でお願いします」
 砕蜂が口元を引きつらせた。
「貴様……それではまるで、私が普段から乱暴者のような言い方を」
「否定できるんすか、それ」
「……殴られるようなことをする貴様が悪い」
「本当にそれ、太陽に顔を向けて言えるんすね?」
 大前田は譲らずに砕蜂を覗き込む。砕蜂は視線をそらすと、
「…………了解した。必ず、貴様の望むようにしよう」
と渋々口にする。
 大前田が心底から晴れやかな表情を見せた。
「ありがとうございます。ああこれで俺、マジで安心して過ごせるっす。ああ、ホントもうそんな日は永遠にこねえかと……あ、確認終えたんすか。なら、この書類と一緒に一番隊に提出してきますんで、ああ、帰りに何か菓子でも買ってくるっすよ。楽しみにしててくだせえ」
 全てを大きめの封筒に入れ、大前田は心なしか軽い足取りで執務室を出ていく。その巨大な背を見送り、砕蜂は執務机に頬杖をついた。
「何か……不愉快なのだが」
 こここん、と人差し指で強く机を叩いた音がした。





 大前田の心底から晴れやかな表情が想像できません。というか、題名と内容があっていないのですがそれはもうお気になさらずにお願いします見逃してください。それに企画も何も一人で勝手に祝っているだけなのですがまあそこはそれ。お誕生日おめでとう(前倒しで)。

01月14日(月)
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