ID:104863
G*R
by K・カヲル
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■10 帰らずの
 ……あ……ああ、あの時とは何なのでしょうか。何か緋色のものが散っていく光景が朧気に思い出されますが、あれはいったい何だったのでしょうか。何か生暖かいものが体から流れ出していたように思うのですが、あれは何だったのでしょう。あのお方の手に握られた、あの緋色に染まった、ぎらりと光る、あれは、一体。

 私は何も知らずとも構わなかったのです。戻れなくとも構わなかったのです。
 ただひたすら、愚かにも、ただ真っ直ぐに緋色に染まった場所に向かっていたのだとしても。
 そうなのだとしても。
 私は本当に構わなかったのです。







 自分で語るパターンです。雛森の心境って、想像しやすそうな気もするのですが、私は追っていくのがとても苦手なタイプの人です。
 帰らずの、という言葉を見たときに、ああこれは雛森さんかな、と思いました。もちろん、彼女はまだ生きているに決まっていますよ。当然ですよ。ただ、彼女は真っ直ぐなあまり、引き返せない場所まで進んでしまったのではないかと思うのです。場所、というのは想いのあり方とでも言いましょうか。
 あの真っ直ぐさは美徳だと思います。ただ、それこそが彼女を前へ前へと進ませてしまったのかな、と。
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11月10日(土)
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