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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■コミック「おかめ日和」から考察する夫婦のあり方

忙しい忙しいと言いつつ、スマホでも読めるので、ここ二年ほど電子コミックにも嵌っています。一番最初に嵌ったのが「とりかえ・ばや」(王朝絵巻とドストライクの帝に捕まる)で、以降無料を中心に読んでいますが、初めて大人買いしたのが、この作品。最初無料版三巻まで読み、主人公靖子の夫・岳太郎(たけたろう)のキャラの面白さを愛でていたら、何と「モラハラ夫だ!」と、あちこちのレヴューで糾弾されておる。は???検索してみれば、二年前くらい、その件で大炎上したのだとか。しかし読み勧めるうち、私の37年間の妻稼業が大きく照らされた心地になり、コメディ仕立ての作品ながら、最後は号泣するはめに。この気持ち、忘れないために、今回特別にレビューです。原作は入江喜和。
17巻まであるので、取り合えずウィキで
あらすじを。
この説明、イマイチなんだけどね。
岳太郎がモラハラじゃない確たる説を立証しようと読み進めると、モラハラどころか、前妻響子相手にDV(笑)。4巻では、現妻靖子に平手打ち。だめじゃん!岳太郎!響子の時は当時27歳くらいですね。最初の数巻は、太めで料理上手で、人柄良し。未だ夫にベタ惚れの主婦靖子が、短気で癇癪持ち、融通が利かず人嫌い。取り柄は頭脳と顔だけみたいな(でもお年寄りに優しく根は善人)夫を立てて、三人の可愛い子供たちとの日常を描くホームドラマでした。それが二人の馴れ初めを描く談に連れ、コメディで笑わせはするものに、段々ディープに。お話は途中から過去に戻り、二人の馴れ初めを中心に描かれ、今が挿入されていきます。
岳太郎は、響子より四歳年下。生い立ちに苦労があり、妻には母も姉も友人も、そして妻もと全部望んでいます(響子談)。対する前妻響子は美人で才媛なれど、家事一切が全くダメ。天然気質で人柄は良いのですが、作家としてこうなり名を遂げたい野心があります。姉さん女房の彼女ですが、性格に難ありの岳太郎は、響子の手にあまり、流産をきっかけに、妻から離婚を告げられます。
のちに靖子への手紙で、離婚して初めて、自分も包容力のある人を欲していたのだと、暗に岳太郎への侘びを認めた響子。そうなんだよね、結婚は愛されたい者同士じゃ、上手く行かない。うちの両親がこれで、当然離婚しています。愛されたい×愛したいがベストなのだと思います。でも自分がどちらかなのか、結婚して初めてわかるのよ。
私も複雑な家庭に育ち、8歳上の夫には、当然幸せにして貰える、愛して欲しいと願い結婚しました。夫ももちろん、そのつもりだったでしょう。それが新婚すぐに夢破れ(笑)。しかしすぐに子供に恵まれ、年子の男子を育てているうちに、私にこんなに母性があったのか、この根性は何ですか?と言うくらい、人間的に成長した私は(これ、母親あるある)、当初の目論見が逆転。私愛する方、夫愛される方で、今に至ります。しかーし!普通は愛される方が優位に立つみたいでしょ?これが愛する方が優位なんだな。男女間では、愛されると言うのは、意外と脆弱なもんだと言うのが、私の意見です。それが親子の愛情との違いでしょうか?これを愛される側が理解していると、夫婦も長続きするのじゃないかしら?
靖子は小学生の時、家庭教師に来た岳太郎に一目惚れ。以来大願成就の結婚まで実に15年間、岳太郎を一途に「大好き」でした。その間空白もありーの、響子との結婚離婚もありーの、DVや大暴れするのをライブで目撃したり、岳太郎が自暴自棄の時にぼこられて、瀕死の時に看病したり、何度も無様な恰好を見ています。当初は元教え子と言う以外、靖子に興味がなかった岳太郎も、次第に彼女が気になりだしますが、五年間は膠着状態。靖子は悶々としながらも、「大好き」なまま。まー、これはもう一種の才能だわね(笑)。
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09月26日(木)
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