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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「宮本から君へ」


主演の池松君のファンな事、一週間くらい夢中だったコミック「おかめ日和」の作者、入江喜和の御主人・新井英樹が原作者だったので、早速見てきました。新井氏は「愛しのアイリーン」の原作者でもあり、作品はR15。また濃厚で熱いのだろうな、でも池松壮亮って、体温低そうだけどなぁ、とか思いながらの鑑賞前。熱いと言うより、暑苦しい(笑)。熱いのは比較的得意な私も、わ〜堪忍して下さい!的雰囲気が充満。疲れ果て体力も残り少なくなってきた終盤、形勢逆転。ラストはしっかり涙した作品です。監督は真利子哲也。

不器用で熱血漢の文具メーカー社員の宮本(池松壮亮)。会社の先輩の仕事仲間で、年上の靖子(蒼井優)と付き合っています。しかし、取引先の会社の部長馬淵(ピエール瀧)の息子琢馬(一ノ瀬ワタル)が絡み、宮本は男としてのけじめをつけようと決心します。

テレビ版と同じキャストだそう。私は原作も未読で、まっさらで臨みました。冒頭血だらけの宮本。歯も折れています。喧嘩で相手を入院させ、上司にお説教を食らうも、相手は訴えません。ここで相手が悪いのだとわかる。以降過去と現在を行ったり来たりしますが、そこは上手く処理して時間の迷子にはなりません。

結婚の報告を二方の両親にしに行く宮本と靖子。両方とも一見歓迎しているようで、父と母で微妙な温度差がある。宮本の母は、靖子の妊娠に気付き、それまで付き合っている事も、結婚の挨拶である事も事前に知らされず、戸惑い憤っているのを隠している。まぁ心配ですよ。責任取っての結婚かと、普通は思いますから。でも私も息子三人ですけど、男性から責任取るから結婚しようは女性として嫌ですが、母親観点からは、責任取らずに逃げたら勘当です。

靖子の方も、靖子の母や責任取っての結婚か?娘は愛されての結婚なのか?と危惧しますが、宮本の「靖子さんを愛しています!絶対一生幸せにします!」宣言で、安心して涙。しかし父は信用して東京に行かせたのに、デキ婚である事を苦々しく思っていると、靖子に告げます。

それでも両方とも、宮本や靖子に当たることもなく良識のある、いいご両親だと思いました。子供の性で親にも微妙に感じ方が異なり、この描写は私も年頃の子供を持つ親なので、とても理解出来ます。ところで、「おかめ日和」でも、ヒロインの名前は靖子。夫となる岳太郎の親への挨拶は「靖子さんを誰より愛しています。必ず幸せにします」でした。夫婦仲が良い事で(笑)。今は何て言うのかしら?結婚している長男には、恥ずかしくて聞けないわ。娘なら聞けるよなー。因みに私の時は「一生大切にして、幸せにするので、僕についてきて下さい」でした。私の大幅な頑張りにより、半生は幸せです。

靖子には腐れ縁の恋人祐二(井浦新)がいましたが、鉢合わせ時、宮本の「俺が守る!」宣言にて退散。二人は結ばれます。靖子の恋愛は辛いもんだったんでしょう。「守る」の言葉に、すがりつきたかった女心はよく解る。若いけど古風な男女感を二人が持っているのがわかります。

でも濡れ場の演出がなー。ここもR15の由縁でしょうが、何と言うか、体臭が感じられる演出。これが良いと思う人もあるでしょうが、私は濡れ場に体臭を感じるとダメなの。好感度の高い二人が演じても、汚く感じてしまってアウト。あんなに痴態を繰り広げた「火口のふたり」には、それがありませんでした。映画との相性だな。この辺は見る人によるでしょう。

それと取引先の宴会に、二人が連れて行かれるシーンも生理的にダメ。一気飲みだのセクハラ発言だの、俺のいう事が聞けないのか!、あるいは大声でのバカ話等、体育会系脳みそ筋肉系は、お願いです許して下さいと思うくらい、昔から大嫌い。如才なく対応する靖子に尊敬すら感じました。私も夫が若かりし頃、とある格闘技をしていて、嫁さん連れて来い!と言うことで、何回か参加。今思えば新婚の妻に、その手の冷やかしもなく、タメ口もなく敬語も使って頂き、悪い人たちじゃありませんでした。でも夫が肴にされていて、居心地の悪さはマックス。ずっと引きつった笑顔で、とにかく早く帰りたかったもんです。


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09月29日(日)
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