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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

とっても楽しかった!二人の架空の俳優とスタントマンを狂言回しに、60年代末期のハリウッド事情を描いた作品。私は1961年生まれで、この作品の背景は覚えている事も多く、すごく懐かしく思いました。監督はクエンティン・タランティーノ。
かつてはヒットドラマの主演もあった、スター俳優のリック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)。今は落ち目で、悪役ばかりやらされています。専属スタントマンのクリス(ブラッド・ピット)は、お陰で本業ではなく、現在はリックの付き人のよう。焦燥感いっぱいのリックの家の隣には、将来を嘱望される新進監督のロマン・ポランスキーとシャロン・テート(マーゴット・ロビー)のカップルが引っ越してきます。
主演二人はフィクションですが、他は実名やら実際の事柄をあちこち散らばめに、有名な惨劇、シャロン・テート事件へと繋げていきます。
落ち目のリックは、「映画出演で失敗した」と言う。この時代、テレビドラマがに隆盛となり、映画は徐々に斜陽へと傾きかけるのですが、まだまだ俳優の格は映画が上。テレビの人気を足がかりに、映画へと向かう俳優は多かったですが、成功は難しかったようです。今はほぼ同格みたいですが。
私が子供の頃は、アメリカのドラマがいっぱい放送されていて、「ローハイド」でイーストウッドを見た記憶があるんですが、これは多分再放送。「ハワイアン・アイ」とか「サンセット77」も記憶にあるけど、これも多分再放送。作中出てくる「FBI」も観ていました。私が大好きだった「奥様は魔女」と「かわいい魔女ジニー」がブッチされたのは、タラの好みじゃなかったのか。でも一番愛してた「ナポレオン・ソロ」が出てきたので、良しとしよう。テレビ版のアダム・ウェストの「バットマン」も観てました!
と言う訳で、台詞を聞いているだけで、気分が高揚してしまった(笑)。落ち目の自分を卑下するリックは、アル・パチーノ演じる大物プロデューサーに現実を突きつけれては号泣し、プロ意識の高い子役を前にまた泣いて慰められ、前夜の深酒で台詞をとちって、恥ずかしさのあまりトレーラーで独り逆ギレと、未熟さの塊。しかしひとたび気合を入れて演技をすると、凄まじい程の好演です。このギャップを観ていると、未熟さや女々しさも含めて、丸ごと愛したくなります。これがスターって事かしら?
クリスは女房殺しの嫌疑をかけられたいわく付きの男。でもリックは全幅の信頼を寄せています。クリスもボスとしてリックに尽くしている。専属のスタントがいるのは知っていましたが、仕事がなくなりゃ、コンビ解消と思っていました。ここは義理人情が好きなタラならではの造形かな?喧嘩を売ったブルース・リーに、スタントにしては顔が良いと言われていたので、容姿で俳優になり損ねた人が、スタントに回った事例もあったのでしょう。
このブルース・リーね、もうそっくりだったのー。この頃は「燃えろドラゴン」じゃなく、「グリーン・ホーネット」に出演。助手の日本人カトウ役で、ブレイク以前です。コニーと言われていたのは、こにー・スティーブンスかな?この人は記憶にないので、わからない。でも一番感動するくらい似ていたのは、ダミアン・ルイス演じるスティーブ・マクィーン!激似なのに、本家より15%減に感じるのが、また良かった。これは本家さんへの敬意だと思います。
リックは結局、主役が出来てお金にもなるしと、イタリアに渡りマカロニ・ウェスタンで主役を演じる事に。イーストウッドやリー・ヴァン・クリーフがそうでしたが、これは当時の象徴的出来事として描かれたのでしょう。ハリウッドでは、三下映画のの扱いで、これでハリウッド復権は望めないと、リックは理解しています。
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09月09日(月)
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