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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「パディントン2」

素晴らしい!前作も好評で、見逃したのを悔やんでいました。今回はヒュー・グラントが悪役で出ると言うので、字幕版がイブニングだけになる前に、勇んで観てきました。モフモフ熊の、可愛いファミリー映画の皮を被った、秀逸な社会派作品。いやホントです。監督はポール・キング。
ペルーの山奥から出てきた、善良で紳士的なクマのパディントン(声ベン・ウィショー)。ブラウンさん(ヒュー・ボネル)のおうちに迎え入れられ、たくさんのお友達にも恵まれて、幸せな日々を送っています。育ての親のルーシーおばさん(声・イメルダ・スタウントン)の100歳の誕生日が近づき、飛び出す絵本をプレゼントしようと思いつきます。しかし世界で一つしかないその本は、とても高価なのです。働いてお金を貯めて、プレゼントしようと、仕事に励むパディントン。しかしある日、その本が盗まれ、警官の勘違いから、パディントンに濡れ衣がかけられ、彼は刑務所に送られてしまいます。
とにかく全編ファンシーで夢のあるシーンが盛りだくさん!ず〜とニコニコして観てしまいます。飛び出す絵本に入り込むシーン、移動遊園地のクラシックでポップな様子、刑務所の中だってファンシー!。とある場面の気球なんか、思わず手を叩いて喜んじゃった。そのファンシーな中に、人が生きる上で大切な教訓が、いっぱい詰まっています。
誠実・親切・正直・素直。そして可愛い!どんな賛辞を並べても足りないくらいのパディントン。あの目に見つめられたら、何でもしちゃうわよ。刑務所で刑務官に、「僕、寝るときは、いつも奥様(ブラウン夫人、サリー・ホーキンス)に絵本を読んで貰うのですが・・・」との言葉に、ブラウン夫妻は、もう一人子供がいれば良かったなと、思っていたんじゃないかな?と推測。そんな時、やってきたのがパディントンなのかと思いました。タイミングが合わず、そのまんまと言うのは、良くある話しで、うちは強引に生まれてきた(笑)三男のお陰で、家が楽しくなりました。なので、予定外の妊娠は、私は産む事をお薦めしたいな。
その人柄の良さで、街中を明るく照らしていたパディントンは、刑務所でも如何なくその力を発揮。みんなの嫌われ者なのに、腕っ節の強さだけで、囚人たちの上に君臨していたナックルズ(ブレンダン・グリースン)を、ルーシーおばさん直伝のママーレードの美味しさで懐柔。ナックルズは教わったママレードの出来が心配で、「どうせ俺は人に認められたり、感謝されたりは出来ないんだ!」と、癇癪を起こす姿を見て、ハッとします。自己評価が低く、自尊心が育たない環境だったのでしょう。人に勝るのは腕力だけ。ナックルズは、愛されるより恐れられる事を選んだのだと思うと、とても哀しい。
で、結果はナックルズの取り越し苦労で、食事を美味しく楽しく食べる工夫は、刑務所全体に幸せをもたらします。これは、どんな場所でも真理だと思う。
親戚にして同居人のバードさん(ジュリー・ウォルターズ)、新聞作りに励むジュディ(マデリーン・ハリス)、隠れSLオタクのジョナサン(サミュエル・ジョスリン)、そしてブラウン夫妻が一丸となって、パディントンを救わんとする場面は、ちょっとしたスペクタクルで、見応え充分。皆が皆、自分の持てる力を発揮すれば、それは百人力になるんですね。
ブラウンさんは、落ち目の俳優ブキャナン(ヒュー・グラント)は、自分の会社のプラチナ会員なので、悪いことは絶対しないと言う。そして刑務所の人々に、パディントンがお世話になってと、挨拶する自分の妻が気に入らない。犯罪者なんか信用出来ないと言います。この固定観念や頭の硬さは、社会の枠組みの中で生きる事が多い、男性に有りがちな思考を表していると思いました。
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01月28日(日)
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