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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■コミック「おかめ日和」から考察する夫婦のあり方
それが結婚するや否や暴君ネロ。うちの夫こそモラハラ亭主です。この明の言葉でハッとしました。夫は自分の育った環境から、妻とは自分を曝け出して、受け入れて貰えるものだと、無自覚に認識していたのだと思います(大迷惑な学習)。それがわからない私は、何故夫は自分の実家と私では違うのか?。厳しい事ばかり言われ、どんなに可愛がって貰えるだろうと結婚した、8歳年下の新妻である私には、皆目わかりません。気に入らずに食卓テーブル(ちゃぶ台にあらず)をひっくり返したと、泣きながら姑に話せば、「あの子はそんな事をする子じゃないのに」と言われ、それじゃ私が悪いのか?何が悪いかも判らず、落ち込み絶望する日々でした。

この時期の事は今でも私は執念深く怨みに思っており、何年かにいっぺんは蒸し返し、その度に夫は謝るのですが、「何時まで言われるんや」と切れ気味に言われると、「お墓に入っても言うわ!」と答えていました。息子たちにも、「お父さんは実家が一番で、お母さんとあんたらは、その次や」と言う始末。我ながら情けなや。でもそれぐらい辛い記憶で、夫に「そうじゃない、お前たちが一番大事」と言われても、今の今までこの気持ちは、心の奥底で拭えないものでした。

これを機に、きっぱり夫の言葉を信じるとします。夫は感受性薄く、記憶も本当に薄い。それを茶化すと「あほ〜。アンタみたいに何でも敏感に感じて、記憶も良かったら、俺なんか今生きてられへんわ」と言う言葉の重さが、ようやくわかりました。この気持ちは、夫には言わないでおきます。夫が私に語る育った家庭は、とても素晴らしい良き家庭です。その側面も勿論あり、夫の記憶のままで、良いと思うから。

そして絶望から私を不死鳥のように救ったのは(笑)、やはり子供の誕生です。岳太郎も、三子誕生からだいぶ穏やかになり、結果腕は良いけど閑古鳥だった診療所は毎日千客万来に。うちも思わぬ三男の妊娠に、年長の主婦仲間が口々に「心配しな。子供は自分の食い扶持持って生まれるから」と励まされたもんです。まー、夫も穏やかになったし、暮らしも何とかなったしね。なので私は、結婚生活中の予定外の妊娠は、産むほうを勧めます。

最終巻、長男の社会の宿題で、お父さんが幸せを感じるのはいつ?と聞かれて「お父さんは、いつも幸せだ」と、答える岳太郎。幸せになりたくて靖子と一緒になり、幸せになったんですね。12巻の終わりの「俺を幸せにしてくれ」と繫がりました。靖子、お約束の号泣。私も泣きました。男子たるもの、恥ずかしくて言えるはずもなかった言葉、岳太郎も成長したものです。

コミックとしての総括は、作者がどうしても書きたかった馴れ染め編が、やはり一番感情を揺さぶられます。不器用な者同士の恋愛としても、一人の男の再生としても読み応え充分。子供たちが可愛く、長い年月でちゃんと成長も見せてもらえて嬉しかったです。サブキャラ全部、描き方もよく存在感があったのも良し。特に二人の父親が母親より色濃く描いており、その辺も珍しかったし、良かったです。難を言えば、現在の靖子をもうちょっと小奇麗に描いて欲しいです。あれではあまりと言えばあまり。同性として許せない(笑)。それと、岳太郎の良き継母、操も、もう少し描いて欲しかった。先妻の子への分け隔てない愛情は、素晴らしい事ですから。

ドラマ化して欲しいけど、あんまり時代に合ってないからダメでしょうね。岳太郎は高橋一生、馴れ初め編は富田望生ちゃんがいいなぁ。

私が今一番幸せと感じるのは、おやつを半分こして、夫と分け合うとき(太るので)。「こっち大きいから」と、お互い言い合って渡しています。先日私が「夫婦でこうやって昼下がり、おやつ分け合って」の次、「幸せや」と言おうと思うと(好きだ、愛している、幸せだ、は常に安売りして言っている)、先に夫が、「幸せや」と言いました。すごく嬉しかった。私も靖子のように泣けば良かったわ(笑)。これを読んでくださっている皆さんも、自分が今一番幸せな時はどんな時か?思い巡らせて下さいね。

09月26日(木)
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