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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「冷たい熱帯魚」
圧巻だったのは、黒沢あすか!どの作品でも結果をきちんと出せる人ですが、妖艶に微笑んで、嘘泣きして、人殺しして、体中血みどろになって、裸になって、ファックして、気も狂ってと、どれもこれもが素晴らしい演技!結婚しているのは知っていましたが、聞けばお子さんも三人いるとか。彼女くらいのキャリアなら、無理して演じなくてもいい役です。自分の人生を全てさらけ出す様なお芝居をして、演技開眼する女優さんはたくさんいます。でも黒沢あすかは、自分の人生も私生活も微塵も感じさせず、愛子というバケモノ女を演じきったわけです。本当に彼女には感動させられました。これぞプロの女優です。

黒沢あすかに比べれば、まだ人生を出し切った状態で演じたであろう神楽坂恵み。それも女優さんとしては立派な事です。キャリアの薄い人なんでしょう、私は初めて観ました。自分の引き出しに何もないところから作り上げるのは大変だったはず。その切羽詰まった崖っぷちの思いを妙子にぶつけ、彼女にも心が動かされました。

遺体処理の生々しい場面、繰り返される暴力描写、リアルでインモラルなセックス。ありとあらゆる普段目にできない描写がてんこ盛りです。しかし内容は、解決しなくちゃならない心配事や苦悩から逃げ回っている自分を、社本の中に観る人は多いはず。私もそうです。それを解決せず踏みつけにするとどうなるか?一瞬の隙につけこまれたら、私もこうなるの?もうホントにサスペンスフルで普遍的な内容です。ちょっと過激すぎるんですけど、出来れば好事家以外の、一般の方にも観ていただきたい作品です。

02月12日(土)
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