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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「トウキョウソナタ」
ラストの健二の演奏場面も個人的には噴飯ものでした。お金の見通しもなく、中学から音大付属へ受験ですか?だいたいここの家、最初から裕福ではないのですよ。だってあんな電車のすぐそばの家、土地は安いはずです。隣は空き地って、そう表現したいんでしょ?恵が「ボーナスが出るまで買い替えは我慢ね」って言ってたストーブは、量販店で8000円くらいで買えます。普通ボーナスが出たらって表現なら、エアコンでしょう?私は生活苦を表現したいと思ったんですが、それも見事に外されました。先生曰く、「あなた(健二)には才能があります」とは言ってましたが、ほとんど練習場面も出てきてないし、家にもピアノないし、あんな短期間であんな見事に演奏なんかできるの?小さい頃からピアノやってる人、怒れ!もしかしたら天才なのかも知れませんが、「天才とは一分の才能と九分の汗」なんだぞ!誰か偉い人に言葉かも知れませんが、私がこの言葉を読んだのは小学生の時、山岸涼子の「アラベスク」のノンナのセリフでした。なので、明るい未来を予見させるシーンも、私には憤慨以外の何ものでもあらず。

とこう言う風に、個人的には愛嬌もへったくれもない、トンデモ作品でした。この作品が描く世界は私のテリトリーで、うちの夫もリストラ復活組です。上司とけんかして会社なんか辞めてやる!と辞表を叩きつけたあと、泣いて妻から懇願され、プライドぺしゃんこになって、頭を下げて復帰した御主人も知っているし、夜の八時に帰宅後、食事を取ってお風呂に入って、また10時から働きに出る御主人も知っています。夫のお給料が減ったので、自分が早朝の給食作りに出かけ、9時から事務の仕事をやっていた奥さんも知っています。その人たちの頑張りを知る私には、こんないい加減なアプローチでね、「リアルに現代の世相と家族を映した見事な作品」とは、絶対認められません。反論お待ちしております。今回の私、怖いなぁ(笑)。

10月06日(月)
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